私たちは、開業におけるビジネス的成功を「小成功」あるいは「中成功」だと考えます。
開業の心理セラピーは、ビジネス的「大成功」を目指すものではありません。
人間は肉体を持った限界ある存在で、時間とエネルギーは限られています。ビジネス的
大成功を目指すには、大変な時間とエネルギーをそこに、費やさなければなりません。
一方、プロのセラピストとして腕を磨くにも、多くの時間とエネルギーとを必要とします。
この2つの矛盾を解決するには、開業は「小商い」で、ビジネス的成功は「小」
あるいは「中」を志す。
それが、セラピーの質を落とさない、顧客(カスタマー)サービスにつながります。
ビジネスとしての小さいまたは中の成功を導きます。
成功と聞くと、「ゼロか百か」思考に陥って、「大成功か大失敗か」を
イメージする人がいます。その思考は、開業することを躊躇させます。
なぜなら、大失敗妄想を掻き立て、不安や恐怖をあおるからです。
大成功は、開業セラピーにふさわしくありません。
そうではなく、ビジネス的な小成功または中成功をお勧めします。
それは無理なく、「中長期的に持続可能(サステイナブル)な」成功につながります。
IPPでは、小商いによる小成功ないし中成功するお手伝いをさせていただいています。
あなたが、小商いによる小ないし中成功のための「仕組みづくり」に関心があれば、
「開業カウンセリング成功の秘訣」をご活用ください。
いいえ、臨床力、現場力が最も大切です。
臨床力がなければ、クライエントの人に力の無さを見透かされ、リピートされることがなくなるでしょう。それでは、開業は成り立ちません。
マーケティングで重要なのは、次の3点を把握して集客の仕組みを作ることです。
・顧客のニーズ(needs / 欲求)
・顧客のウォンツ(wants / 手段)
・提供する商品やサービスのシーズ(seeds / 種、潜在可能性)
スクールカウンセリング、クリニックでのセラピー、学生相談などでは、セラピストとしての臨床力があれば、十分です。そこでは、セラピストに代わって、学校、医院、大学がマーケティングをします。
しかし、開業心理療法や開業コーチングの場合は、集客を自分でしなければなりません。だからこそ、マーケティング・スキルを身につける必要があります。
大事なのは、誰の中にも「消費者」と「顧客」とが居ることへの理解です。
開業心理療法では、誰の心にもある「顧客」に向けてセラピーを行います。トレーニングを受けていない開業セラピストは、誰の中にもある「消費者」的側面を無自覚に刺激し、肥大化させ、リピーターになる可能性を失くしてしまいます。
「開業カウンセリング成功の秘訣」では、心の中の「顧客」的側面とチームを組み、セラピーやコーチングを進める方法について、ご説明しています。
秘訣はたくさんあります。1つ挙げると、「消費者」と「顧客」とを選別することです。
「消費者(consumer / コンシューマー)」の原形である “consume” は、「使い果たす、破壊する、喰い尽くす」と訳されます。「消費者」とは、英単語の意味からすると、セラピストやコーチを喰い尽くし、破壊しかねない人のことです。
一方、「顧客(customer / カスタマー)」の原形である “custome” は、「習慣」を意味します。 「顧客」とは「習慣的・定期的に来てくれる顧客」を意味するといえます。
開業心理療法は、心理療法家と「顧客」との関係から成り立つ事業です。「消費者」をクライエントとするものではないことを覚えておいてください。
ピーター・ドラッガーは、マーケティグは「顧客創造(customer creation)」だと述べました。それには、顧客が来るのを待つのではなく、創造というクリエイティブな作業が伴うといいます。あなたは、「顧客」の創造にご関心がありますか?
「開業カウンセリング成功の秘訣」では、私たちが30年かけて体得してきたことのエッセンスを、凝縮してお伝えします。
必要です。腕の良さだけでは開業はうまくいきません。
ビジネスがうまくいかないと、廃業することになりかねません。そこで困るのが、セラピストやコーチ本人だけでなく、クライエント(顧客)です。開業セラピーに来るクライエントの人は、じっくり、ゆっくり、ていねいに自分の問題、悩み、症状と取り組みたい方が少なくありません。もし、セラピストが廃業してしまったなら、クライエントの人に、迷惑をかけることになるでしょう。
ですので、開業心理療法家は、自分のためだけでなくクライエントの人のためにも、ビジネス(事業)としての心理療法を、成功させる必要があります。その時に大切になるのが、ビジネス・マインドやマーケティング(集客)・スキルです。
はい、その側面があります。
実を言えば、セラピストやカウンセラーの中には、「ビジネス(business / 商業、商売、事業)」や「ビジネス・パーソン(business person / 商人)」という言葉に汚らわしさを感じて、嫌う人が少なくありません。
しかし、考えてみてください。すべてのビジネスが汚いわけでも、悪いわけでもありません。例えば、誰もが知っているような大企業、トヨタ自動車や伊那食品工業の名前を聞いて、汚いビジネスをしていると、感じるでしょうか?
フロイトもユングも、開業セラピストでした。フロイトは、精神分析を通じての「生計」にとても意識的(conscious)でした。生計であれば、真剣で真摯で誠実にならずにはいられません。セラピーにコミットしないことはできません。
開業以外のセラピーには、ビジネス的側面は希薄です。それが、開業とその他 ~教育、産業、医療、福祉、司法など~ の領域との質的相違です。私たちは、優劣を問題にしたいわけではありません。そうではなく、仕事をする文脈(コンテキスト)を問題にしています。
開業においては、セラピストの腕が商品です。開業セラピストには、商品の質をよくする強制力が、常にかかります。この強制力と上手につき合い、心や認知を研磨し続けることが大切です。商売は、顧客の利益や幸福を大切にしなければ、中長期的に継続することはできません。事業主が自己愛的、利己的では、短期間であればうまくやれても、中長期にわたって成功することはできません。