以前開催していた「ホリスティック&トランスパーソナル・セラピスト」養成コースを、内容を刷新して準備中です。以前取得していただいた「単位」は、新しいコースで活用していただけます。
内容は、以下を含みます。
- 病態水準~神経症、パーソナリティ障害、精神病、ASDの各水準~
- コンステレーション
- 治療構造論、マネージメント、ガバナンス
- セラピーの主訴と目的との違い
- 転移、逆転移、投影同一化
- エナクトメント(劇化)とアクティング・アウト(行動化)
- システム論と循環的因果律
- ジェノグラム(家族図)
- 他業種とのコミュニケーション、交渉、連携
- 解離
- 関係療法
- (物質、行為)依存症と共依存
- C.G.ユングのコンテイナーと、W.ビオンのコンテイニング
セラピスト養成コースについてよくあるご質問 (8)
1番大事にしているのは、コースに入っていただいた方に、臨床力、現場力、実践力を身に着けていただくことです。このコースは、自分の腕で食べていくための基礎力と応用力とに特化したものです。
まずは「職人(artisan)」と「アーティスト(artist)」を参考にして、基礎力を身に着けます。また、「即興性(improvisation)」と「コンステレーション(constellation、布置)」について、徹底的に取り組むことを通して、応用力を開拓します。
「職人(artisan)」も「アーティスト(artist)」も、英単語ではどちらも “アート(art)” が入っています。“art” には、「芸術」の他に「技術」という意味があります。プロのセラピストを目指すのであれば、「技術」を職人のように、しっかりと身体にしみこませる必要があります。「型」の習得です。
短期であれば、「型」を知らずに「無手勝流」でやり過ごせます。が、中長期には困難です。なぜなら、セラピーでは、クライエントという人間を相手としていて、「型」を知らなければ、クライエントの人に、不利益を与えることになるからです。
プロの開業カウンセラーやセラピストは、この仕事を、数十年にわたっておこなうものです。腰を据えて、ゆっくり、じっくり、あなたのペースで学び、まずは「型」を身に着けていってください。
大きく分けて、2つの大切なことがあると考えています。1つは、「病態水準」です。もう1つは、「関係療法」です。
その2つもぜひとも学んでいただきたい。ですが、その前に、パーソナリティの深層構造を、「病態水準」から想定できるようになっていただきたいのです。
病態水準は、かつて「神経症」と「精神病」の2つがあり、その中間/境界に(その2つが混在した)「パーソナリティ障害」がある、と考えられていました。今日では、そこに「ASD(自閉スペクトラム症)」が、加わっています。
まずは、「神経症」「パーソナリティ障害」「精神病」「ASD」の基本を、身に着けてくだたい。なぜなら、それが身に着いていてこそ、適切なセラピー、カウンセリング、コーチングができるからです。
たとえば、目の前のクライエントの人が、一見、健康そうだけれども、精神病水準を潜在させているかもしれない。この場合、早期に精神科医と連携すべきではないだろうか?
たとえば、あるクライエントの人に対して、「抑圧の解除」を目指すといいのか、あるいは「抑制」を行うといいのか?
こうしたことは、病態水準の理解がなければ、さっぱりわからないでしょう。
ちなみに「抑圧の解除(uncovering)」は、「蓋(カバー)を取ること」「ブレークスルー」を意味します。それは、神経症や健康な人に適切な介入です。一方、「抑制(containig)」は、「包むこと」「封印すること」で、精神病やパーソナリティ障害との取り組みに不可欠です。
カウンセリング、セラピー、コーチングは、援助者と依頼者とで行うものです。そこには、必ず「関係」ができます。この「関係自体」を、セラピーの〈対象〉としてして取り上げるのが、「関係療法」です。
「関係」に着目しないのであれば、1人で行う瞑想や夢日記で、自分を見つめることができます。「関係療法」は、自分1人では見ることのできない「心の背中」を見るためのツールです。それは、セラピストが「クライエントの心の背中」を見ること、また、セラピストとクライエントとが協働して「2人の関係の背中」を見ること、を試みます。
「関係」は、クライエントとセラピストとから成ります。関係を〈対象〉とすることは、セラピストが〈対象の一部〉であることを意味します。だから、「関係療法」はプロにとっても複雑で難しい。
その「関係」を紐解くツールが、「転移」「逆転移」や「投影同一化」「エナクトメント」です。皆さんが今まで学んでこられたカウンセリング、セラピー、コーチングでは、あまり扱われなかったかもしれません。この4つについては、病態水準と共に、このコースで学びます。
今日の最も多く、難しいセラピーのテーマに「解離」と「トラウマ(心の傷つき)」があります。その2つは、ほとんどのケースにおいて連動しているのですが、「関係」への視座がないと、太刀打ちできません。セラピストが何でも見えていて、わかってくれるといったことは、ないからです。
解離とトラウマの取り組みにおいては、セラピストやカウンセラーも、しょっちゅう解離を起こします。特に、クライエントの解離に対して、解離で返してしまいます。この時、セラピストの解離的反応はあまりに自然なので、またセラピストの解離的反応と、クライエントのかつての親との関係(における解離)とは重なっているので、クライエントにとって「おかしい」と思えません。こうして、クライエントとセラピストの両方に、解離が生じ(場合によっては長く続き)ます。
それへの処方箋は、セラピストとクライエントとの協働作業です。セラピストは、クライエントがセラピーに能動的に加わるように誘います。それがなければ、「クライエントとセラピストからなる関係の背中」そして「クライエントの心の背中」つまり「解離」は見えません。
現代のセラピーのテーマで、解離が関係していないものは、少ない。アルコール依存、ギャンブル依存、買い物依存、摂食障害、DV、アダルトチルドレン、共依存、過剰適応、自己愛のテーマ、各種パーソナリティ障害、どの心のテーマにも、何らかの解離が絡んでいます。
それらと取り組むためには、「関係」と「病態水準」への理解が欠かせません。このコースでは、「解離」と取り組むための基礎となる「型」を、ゆっくり、じっくりと学び、応用力につなげていきます。
セラピーでは、想定外のこと、予測できなかったこと、不確実、事件、事故、共時性などが、関係してきます。そのとき、「型」として身に着けた「技」と「アート」だけでは、足りません。「即興性(improvisation)」が必要とされます。「即興のクリエイティビティ」が求められます。
それは、セラピストとクライエントとの両者を巻き込んだ「関係」についての即興であり、クリエイティビティです。想定外のことと取り組めるのが、プロの腕だと考えます。なぜなら、不確実、事件、事故は単にマイナスのことではなく、行き詰まりの打破、セラピーの新たな展開、癒しの糸口になることが、よくあるからです。
このコースでは、基礎から応用まで、包括的に学べるように、コースの中身を刷新して、よりよいトレーニングをご提供させていただきたいと考えています。セラピスト養成コースのご参加について、ぜひご検討ください。
ご関心のある方は、個別にお問い合わせください。
コースの準備が整いましたら、さっそくご案内させていただきます。