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分身さがしの心理療法 ~ツインシップ(twinship)とツインソウル(twinsoul) を求めて~|2019/11/24(日)

分身さがしの心理療法

◎ 配布資料+音声データをご購入いただけます

1)心理療法における「分身」とは何でしょうか?
なぜセミナーで、分身を取り上げるのでしょう?
心理的分身とは何を意味するのでしょう?

今月のセミナーでは、「心の次元」である<分身(twinship、ツインシップ)>と、「魂の次元」における<分身(twinsoul、ツインソウル)>に着目します。

あなたは、心理療法における心のツインシップや、魂のツインソウルまたはソウルメイト(soul mate)について聞いたことがありますか?

分身が、心や魂の次元で、とても大切な役割を担っていることを、ご存知ですか?

2)ツイン(分身)は、半身となった心、分裂・分断された魂が、全体性を回復し、「自分」になること、人として「 I am OK」感を持つうえで、大変重要です。

3)分身を重要視した心理療法家に、ハインツ・コフートがいます。

コフートは、人が「まとまりをもった自己」感覚を得るには、幼少期に母親に認められ、ほめられることを通して「野心」を健全に発揮したり、また、父親が北極星のような「理想」の存在であることが必要だ、と考えました。野心や理想は、幼児期に「自己」を確立する上で不可欠です。

コフートは、子どもがこの2つをいい形で体験できないと、I am OKの感覚、等身大の自分、自分らしさの土台となる「まとまった自己」を形成できない、と考えました。

4)しかし、他にも自己形成のチャンスはあります。

「分身」です!

エディプス期と言われる3歳以降、潜伏期、そして青年期に、分身を見つけることで、自分にまとまりを作ることができます。

分身とは、何でしょうか?

5)分身は、英語で”twinship(ツインシップ)”ないしは”alter-ego(オルターエゴ)”です。ツインシップには「双子」、オルターエゴには「親友」という意味があります。心理的双子や心理的親友ができると、「自己」はまとまりを得て、安定します。

6)人格形成においてベストは、野心と理想が満たされ、さらに分身を持つこと。少なくとも、野心、理想、分身の3つのうち、2つが充足されていること、だと言われています。

が、ハインツ・コフート自身、幼少期に野心と理想が満たされず、失望と孤立、孤独の中で、さみしい時を過ごしました。そうした中で、彼は、10歳年上の男性の家庭教師に、分身を見出したといいます。

7)コフートは、家庭教師を親友(分身)のように感じ、愛や親密さを経験します。それまで失望し、孤立感にさいなまれていたコフートにとって、家庭教師は救済者のように映り、精神的な同性愛感情を抱いた、といいます。

8)統合失調症治療の第1人者である、ハリー・スタック・サリバンは、青年期の同年代による同性愛的親密性を重視しました。これは、男性も女性も同じです。

古今東西の未開文化には、かつて「通過儀礼」がありましたが、そこでは、人工的にピアグループによる同性愛的親密関係が形成されました。同性愛的親密関係を持つことが、子どもを、大人に変容・成長させるための、不可避の要素だと考えられていたからです。

9)サリバンによると、親友との親密さが欠けると、人~特に青年~は、不安定で安全や保障感や確かさを体験できず、精神病状態に陥りやすくなります。また、ボッチ感や恥の感覚にさいなまれやすくなります。

10)母からの承認、および父親への理想化がかなわない場合、人は「自己」にまとまり、統合感、秩序を得るために、心理的分身を切望する。これが、コフートの考えです。

11)分身は、自分との類似性や同一性を心理的に共有でき、We(私たち)の感覚を持てる相手です。分身は、自分を理解してくれる存在であり、自分にとって理解したい存在です。この体験をベースに、人は、「自分はここにいていいんだ」という、世界に対する所属感や居場所感を持つことができます。

12)分身は、青年期には「親友」として、また、人生後半には「後継者」といった形で、希求されます。自分の事業や生涯を継いでくれる存在を、中年期以降、私たちは求める、というのです。

13)さて、ここまでは、「心ないし主観」の次元における分身について、述べてきました。次に、「魂」の次元の分身について、少し考えます。

たとえば、表面的には仲が悪く、なぜ、長期間にわたって関係を維持しているのか、よくわからない夫婦がいたとします。

夫婦カウンセリングをしていくと見えてきたのが、2人がよく似た傷つきを、人生のメインテーマとして、繰り返してきた、ということだったりします。心のより深い魂の次元で、まるで分身のようであることが2人に理解されると、今までよりも、ずっとまとまり・統合感のある夫婦になっていきました。夫婦カウンセリングをするまで、この点は明らかになっていませんでした。

14)魂の深い傷つきを通して、相談者の癒しの作業を行うヒーラーを、「ウンデット・ヒーラー(wounded healer、傷を負った癒し手)」といいます。ユング心理学は、このイメージを大切にして、心理療法を行います。

「あなたもそうだったのですか、私も同じタイプの傷を負っているので、あなたの傷つきに共感できると思います」

「エッ、先生もそんな傷を負ってたのですか?!」

といったやり取りを、深い次元で行い、クライエントの人の癒しを応援するのです。それはまるで、「ツインソウル」をさがす作業のようです。2人が、ソウルメイトであったことを、見出す過程かのようです。

あなたは、ソウルメイトに関心がありますか?

15)「啐啄同時(そったくどうじ)」や「共時性」は、自分と世界とのスピリチュアルな分身体験です。(注:啐啄同時と共時性に関しては、セミナーでお伝えします)

16)このセミナーでは、分身について考えるにあたって、さまざまな視点を多角的に取り入れます。上に述べたこと以外に、河合隼雄氏の「片子(かたこ)」、カルロス・カスタネダの「分身」、土居健郎氏の甘えと同性愛感情との関係、プラトンの「人間球体説」、その他です!

☆今回、心理療法において、とても大切でありながら明確化されてこなかった「分身」について、基本から最先端までをご紹介します。カウンセリング、心理療法、コーチング、コンサルティングの臨床力、実践力を身に着けるうえで有益な機会です。

専門家の方および一般の方、初心者の方のご参加を歓迎いたします。

あなたとご一緒に学べることを楽しみにしています。

りご連絡ください。

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日時 ■ 2019年11月24日(日) 10:00~17:00

会場 ■ 都内

費用■ メールマガジンにてご案内しております。

講師 ■ 富士見ユキオ・岸原千雅子

会場■ 都内(お申込みいただいた方に詳細をお伝えします)

費用■ メールマガジンにてご案内しております。

講師■ 富士見ユキオ・岸原千雅子