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タオ(Tao)とフロー(Flow)の心理学 ~共時性、コンステレーション、ゾーンを読み解く~|2019/1/27(日)

◎ 配布資料+音声データをご購入いただけます

1)あなたは、タオ(Tao)やフロー(Flow)という言葉や概念について、聞いたことがありますか?それでは、ゾーン(Zone)は、どうでしょうか?

フローやゾーンは、かつては人間性心理学やトランスパーソナル心理学において語られ、また、新しくはポジティブ心理学が唱えてきました。そして、ユング心理学でも、同様の内容を別の言葉で表現してきたものです。

新年最初のこのセミナーでは、タオとフローに着目することで、あなたの対人援助職をバージョンアップし、強化すること、また、あなたのライフスタイルをより豊かで実りあるものにすることを意図しています。

2)タオ(Tao)=道の考え方は、ユング心理学やプロセスワークの中核にあります。ユング心理学では、自我を超えた心の全体性をタオとして捉え、タオへと向かう過程を後押しします。(注:こう考えるユング心理学者に、ジーン・シノダ・ボーレンやデヴィッド・ローゼンがいます)。

心の全体性に向けたプロセスの中心には、コンステレーション(布置・星座)が潜在しています。コンステレーションを把握するのは簡単ではありません。しかし、共時性、フロー、ゾーン体験を通じて、時に私たちは、その働きや痕跡を、なまなましく実感することがあります。

コンステレーションの視座を身に着けると、あなたの対人援助職における力量は、飛躍的に高まるでしょう。また、あなたの人生も、より一層豊かになるでしょう。このセミナーは、コンステレーション(布置・星座)やシンクロニシティ(共時性)を読み、フローやゾーンに触れるためのものです。

3)さてフローとは、何でしょうか?フロー(Flow、流れ、動き)に着目したポジティブ心理学のM.チクセントミハイは、「フロー体験こそ、幸せや豊かさの鍵である」と述べました。フローはチャレンジとスキルが釣り合った状態で、物事に没入したときに生じる体験です。それは、地に足の着いた躍動感、心は高揚しながらも平静でいる感じ、充足感、豊かさをもたらします。

4)では、ゾーン(Zone)は?ゾーンは、アスリートたちによく知られている体験で、「超集中状態」と説明されます。大変な集中状態にありながらリラックスしている。心と体が一致し、体が自然に動き、高いパフォーマンスや素晴らしい成果をあげることができる。そうしたことを可能にする意識状態、体験様式です。

かつて野球の神様と呼ばれた川上哲治氏は、「ボールが止まって見える」ので、ヒットやホームランを打つのがたやすかった、と述べました。当時、その意味がさっぱりわかりませんでした。が、今日、それはまさに「ゾーン体験」だったのだ、と理解できます。

5)ゾーンやフローは、禅仏教のいう「啐啄同時(そったくどうじ)」によってもたらされます。またそれは、M.エンデ著『モモ』に描かれる「星の時間」にあたります。啐啄同時とは、卵の中の雛(ひな)鳥の方で、殻を破って生まれようとして、中からコツコツとつつく時(=啐)と、親鳥が外から殻をコツコツとつつく時(=啄)が、ピタッとうまくかみ合って、雛鳥が出てくる瞬間を言います。両方が、絶妙のタイミングで一致する瞬間、「機を得て両者相応じる得難い好機」のことです。(注:この啐啄同時と星の時間については、セミナーでより詳しくお伝えします)

6)大事なのは、タイミング。そしてそれを活かすために必要なのが、「チャレンジ」と「スキル」の両方です。前提としての、スキル(技術)は、絶対に必要です。これなしに、フローや共時性を求めれば、自我に心地の良い、ニューエイジやスピ系になってしまいます。それでは、良質な対人援助を実践することは困難です。私たちは、臨床に必要な「スキル」を学ぶ必要があります。

7)そして、具体的な実践=チャレンジも不可欠です。これは、心の自己活性化に関わるテーマです。なぜなら、自己活性化がはばまれていると、チャレンジすることへの恐れが抵抗に、取り組むことができないからです。そのため、自己活性化をはばむテーマ、たとえば内なる境界性パーソナリティ性、隠れ自己愛性、恥、村八分、ハブられる被害感にも目を向けながら、取り組んでいきます。

8)スキルとチャレンジ精神がそろった上で、もう1つ重要になるのが、タイミング(時期、時熟、好機)です。機を読むのを助けてくれるのが、コンステレーション(constellation)の視座です。コンステレーションは、心理学では「布置」と訳されますが、語源的には、”con”(一緒に)+”stella”(星)=星座、すなわち、星々が一緒になったもの、を意味します。心の深奥に煌めく星座や、組織やグループの背後で影響を与えている星の配置を読み解いていく。このコンステレーションの考え方、見方は、対人援助職にとっての最良のアセスメント・ツールです。

9)コンステレーションが読めるようになると、グループワーク、組織心理学、コンサルティング、家族療法、コミュニティ心理学、スクールカウンセリングに役立ちます、また専門家の間のつながりが求められる連携と協働において、有益で強力な武器になります。また、コンステレーションの読み方が身に着くと、あなたは、ユング心理学のみならず、プロセスワークについても、よく理解できるようになるでしょう。なぜなら、プロセスワークの心と身体、関係性、グループや社会、世界に対する見方全ての背景に、コンステレーションの視座があるからです。

10)世界中のユング派の中で、コンステレーションの見方を最も力説したのが、河合隼雄氏です。なぜ、もともと数学の専門家であった河合氏や理論物理学の専門家だったプロセスワークのA.ミンデルが、近代科学的な因果論でなく、心理学的星座=布置の見方を、採用したのでしょうか?あなたは、どう思われますか?なぜ、この視座は、対人援助における肯定的な臨床結果を出し続けることができるのでしょうか?今回のセミナーでは、理論的にだけでなく、体験的にも、この謎に迫っていきたいと考えます。

11)フローやコンステレーション体験は、できごとやプロセスが、収まるタイミングで、収まる場所に、収まる体験です。すべてが、あらかじめ仕組まれていたような感じ、他者や世界、宇宙と調和した感覚、意味、目的、秩序の感覚をもたらします。この体験は、あなたやクライエントの人に、深い次元における納得感、了解感、癒しの感覚をにおける呼び起こします。関係療法における「あいだ」の体験にも、同じような意識状態があります。(セミナーでは、この点についても学びます)

今回のセミナーでは、その中核にあるコンステレーション理解を深め、磨き、より洗練させていきます。

タオ、フロー、ゾーン、コンステレーション(のいずれか、またはすべて)にご関心のある専門家の人、専門家をめざす人、また、一般の人、初心者の人のご参加をお待ちしています。

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日時 ■ 2019年1月27日(日) 10:00~17:00

会場 ■ 都内

講師 ■ 富士見ユキオ・岸原千雅子