に投稿

病態水準の目利きになる極意 ~自己愛の中の精神病、自己愛、発達障害、解離の混同と見分け方~|2023/4/23(日)

◎ オンライン開催
◎ 配布資料+音声データをご購入いただけます

1)私たちはこれまでセラピーの実践のなかで、クライエントに対し、受動的な被害者 / 犠牲者から、能動的な人生への参与者、指揮者やリーダーへ、また個人神話の創造的語り手になるように、と支援させていただいてきました。

今月は、クライエントを人生の能動的参与者、指揮者、個人神話の創造的語り手へと支援するうえで欠かせない「実践の知」「臨床の知」と取り組みます。実践の知、臨床の知として、もっとも有益なものが、「病態水準の見分け方」です。

2)近年セラピー領域では、自己愛や発達障害、また解離が着目されてきました。

しかし、自己愛と発達障害、および解離とが、たびたび混同されていることは知られていません。また、自己愛の中に精神病水準や解離が潜んでいることも、あまり理解されていません。

今回、「病態水準」を基に、自己愛と発達障害、解離とがどのように混同されるのか、そして自己愛にどんなふうに精神病水準が潜むのか、その「見極め方」を学びます。

3)さてここで質問です。

あなたは、素人セラピストとプロセラピストの違いは、何だと思われますか?

・クライエントの話を親身に聴くことができること。
・クライエントの身になって、受け止め、適切に伝え返しができること。
・・・もしかすると、そんなふうに思ってきたのではないでしょうか。

クライエントに役立つカウンセラーにとって必要なことは、「傾聴」や「受容と共感」だ、と思ってきた、あるいは教わってきたのではないでしょうか?

「当然でしょう? それはカウンセラーの資質として、常識じゃないですか!?」と、いう気持ちになっておられるかもしれません。

もちろん、それは大事な要素です。

しかし開業カウンセラーとして、長年仕事をし、そのなかで成功してきた私たちからすると、「成功の秘訣」「極意」は、もっと別のところにあります。

4)・・・プロと素人の違い、その分かれ目とは何だろう。

たとえば、腕のいい料理人は、素人とどのようなところが違うのか、どんなことで勝負しているのか。ちょっと考えてみましょう。

プロ料理人が何より大事にするのは、まず「素材」です。当たり前だと思いますか?

しかし、自分が思う存分、自分の腕をふるい、満足のいく料理を提供するためには、そしてそれをお客様に喜んでもらい、「ありがとう」と言ってお金を払ってもらうためには、さらに、そのお客さんに「またあなたの料理が食べたい」と思ってリピートしてもらうためには、第一に、よい素材を手に入れることが必要です。そのうえで初めて、腕をふるうことができるのですから。

5)それでは、よい素材を手に入れるために、必要なこととは、何か。

新鮮な素材を置いてあるマーケット(市場)に行くこと?
あるいは、いい素材を提供できる生産者(農家や漁師さんなど)を知っていること?
または、安く仕入れられる人脈づくりをしていること?

たとえ、そのどれがあっても、たったひとつ欠けていたら、結局は「よい素材」を手に入れることはできないものがあります。それは何か?

・・・あなたが『目利き』である、ということです。

どんなに新鮮な素材が並んでいるマーケットに行っても、生産者を知っていても、それが安く仕入れられたとしても、肝心の、あなたの目が、素材選びのできる目になっていなければ、腕をふるうための「よい素材」を手に入れることができません。

手に入る素材がたくさんあったとしても、あなたが「目利き」でなければ、あなたが腕を振るって、いい仕事をすることはできないのです。結果、お客さんに喜んでもらったり、リピートしてもらったりすることは難しくなってしまいます。

6)プロがプロとして仕事をし、お金をもらうためには、「目利きになる」ことが、まず何より、そして何にもまして、必要なことなのです。

カウンセラーがプロの「目利きになる」ということ、それは、「病態水準を見分ける」ということです。

病態水準とは、その人の心のありようが、どのようなレベルなのか、といったことを理解するための、ある種の「ものさし」のようなものです。

人の心は目には見えません。その目に見えない心の度合いを知るための判断や見立ての基準。それが病態水準です。

心の度合いとは、たとえば、
「どの程度、心に安心・安全が確保され(守られ)ているか」。
「どの程度心が壊れて(割れて)いるか」
「どの程度脆く壊れやすい・脆弱か」
「どの程度柔軟か」
「どの程度機能しているか」
などなど。

これらの特徴を、目の前のクライエントとのやりとりの中で、理解し見抜いていくのが、「病態水準」がわかる、ということであり、これがわかることが、カウンセラーとしてプロの「目利きになる」ということなのです。

7)なぜ、病態水準がわかることが重要なのでしょう。

たとえば、魚の目利きは、見たり触れたりするだけで、その魚の新鮮度、脂のノリ、美味しさ、などを見分けることができます。それがわかることで、ふさわしい料理法その他が選べます。つまり、素材に合わせて、適切な対応ができるようになります。

それと同様に、病態水準がわかると、目の前のクライエントにふさわしい対応ができるようになります。これが重要なポイントです。

さらに「目利き」は、魚に食べられる部分と不向きな部分があることも、わかります。そのために必要な下処理や仕込みも知っています。

カウンセリングでも、病態水準がわからないまま、中身に突入してしまっては危険な場合があります。害になる場合もあります。つまり、プロとして対応ができるためには、病態水準の理解は、不可欠なのです。

8)今回、あなたに「自己愛の中の精神病、自己愛、発達障害、解離の混同と見極め方」の目利きになっていただくことを、メインテーマとします。

現代人の心の訴え、問題、悩み、症状には、「自己愛障害」「発達障害」「解離」「精神病水準」が潜んでいることがよくあります。アルコール、ゲーム、ギャンブル、買い物、摂食、セックスといった依存症、共依存症、パーソナリティ障害、DV、(複雑性)トラウマには、解離や精神病水準が、まま関係しています。だから支援が困難です。

9)「精神病水準」と聞いて違和感を覚えたり、驚いたり、私には関係ない、と思っている人は少なくないのではないでしょうか?

しかし、部分的 / プチ的にですが、精神病水準が深く関係していて、それが現代人を苦しめている場合が、想像以上にあるのです。

ユングは、クライエントの5~6人に1人は、精神病を潜在させていた、と述べています。精神病水準が部分的にでも潜んでいれば、その負の影響は強大です。

10)にもかかわらず、心の訴え、問題、悩み、症状に宿る精神病水準は、カウンセリングやコーチングでは、扱われません。理由は、カウンセリング、セラピー、コーチングの教育に、「病態水準」が入っていないからです。

特に「精神病水準」は、精神科医(だけ)が関わる領域で、カウンセラーやセラピスト、コーチは学ぶ必要がない、あるいは最低限の知識があればいい、と妄信 / 勘違いされていたりするからです。

11)しかし、精神病水準の学びは絶対に必要です。「病態水準」とは、「精神病」「パーソナリティ障害」「神経症」そして「発達障害」の4つを指しますが、良質なセラピーを実践するには、その基本をしっかりと押さえておくことは不可欠です。

12)いまセラピーの現場では、自己愛と発達障害と解離の「混同」がまま見られます。また、「自己愛の中の精神病」が気づかれないままのことも多々あります。

「自己愛性パーソナリティ障害」と「スキゾイド性パーソナリティ障害」と「発達障害」との、また「双極性障害Ⅱ型」と「ADHD」との混乱・混同も、度々生じています。

それが、クライエントの心の訴え、問題、悩み、症状が改善されない重大要因になっています。カウンセラー、セラピスト、コーチが、クライエントを支援できない原因の一つになっています。

13)こうした難問に対して、愛情、誠実さ、共感だけでは、どうにもなりません。あなたが素人セラピストでなく、クライエントを本当に支援できるプロのセラピーの技にご関心があるなら、ぜひ病態水準について身に着けてください。

そして、自己愛の中の精神病や、自己愛、発達障害、解離の混同の見極めを可能にする、きめ細かいプロの技を使えるようになってほしい。

14)このセミナーは、そのための極意、あなたが目利きになるためのコツを、基本から、わかりやすく、かみ砕いて、粘り強くお伝えします。取り組み方、扱い方も学びます。良質な具体的ケース(事例)を用いて、一つひとつ理解していきます。

あなたは「病態水準の目利きになる秘訣 ~自己愛の中の精神病、自己愛、発達障害、解離の混同と見極め方~」に、ご関心がありますか?

あなたは、今まで以上にクライエントに貢献できる対人援助職になれるでしょう。

15)セミナーでは、プロの方はもちろん、このテーマに興味のある一般の方、初心者の方のご参加をお待ちしています。

セラピストだけでなく、コーチ、コンサルタント、アドバイザー、ケースワーカー、ナース、医師、保健師、ボディワーカー、弁護士、教育関係者の方も、是非ご参加ください。

* * * * *

日時■ 2023年4月23日(日)10:00~17:00

会場■ zoomオンライン会議(お申込みいただいた方に詳細をお伝えします)

費用■ メールマガジンにてご案内しております。

講師■ 富士見ユキオ・岸原千雅子