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高機能依存症&共依存症 ~人生を台無しにしないために~|2018/ 11/25(日) 

◎ 配布資料+音声データをご購入いただけます

1)アルコールや薬物、買い物、ゲーム、ギャンブル、性的逸脱などに関する依存症や共依存症。それらは人の人生を台無しにしかねません。あなたは依存症についてどんなイメージを抱いていますか?

意志が弱い、性格破綻者、仕事と家族を失ったダメ人間、すべてを失くした酔っぱらい、(薬物依存に対しては)犯罪・・・。こういった一面的見方、偏見、ステレオタイプが蔓延しているかと思います。

2)国際的診断基準ICD-10によると、日本にはアルコール依存症だけでも推定で109万人いると考えられています(他の依存症を入れると数百万人になるでしょう)。

が、アルコール依存の治療を受けている人は4~5万人に過ぎません。

109万人中の5万人。

0.46%。

アルコール依存症の95%以上の人は、治療を受けていないことになります。治療されていないアルコール依存症の人の中に、相当数の「高機能」の人が混じっていると、最近理解されるようになってきました。

あなたは、「高機能依存症」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

3)「自分には飲み過ぎの傾向はある。ときに酒で失敗することもあった。しかし、自分がアル中のはずはない。だって、人一倍仕事をやり、成果をあげているから。」

有能な仕事ぶり、高学歴、高収入、高度専門職、高い社会的地位、さらには、ちゃんとしている(ように映る)生活。こうした高機能さが、アルコール依存症を本人からも、周り(ex.家族、同僚)からも覆い隠し、放置し、慢性化させてしまう。

自分はアルコール依存ではない。
意志が弱いわけでも、性格破綻者でも、仕事および家族を失ったわけでもない。

高機能依存症者は、依存症であるにもかかわらず、ある一定期間にわたって高機能ぶりを保持することができます。しかし、そのため、水面下で心身および人との関係に、マイナス影響が積み重ねられます。

4)ここで言う「高機能(highly functioning)」とは、仕事で有能さや専門性を高レベルで発揮していることを指します。高学歴(一流大学や大学院出身)、管理職(経営幹部・エグゼクティブ)、専門職(医師、弁護士、会計士、ナース、教員・・・)として活躍していることも少なくありません。

依存症は、所属階級に関係なく、どの層でも患います。

が、従来、社会的、経済的に高機能であることを隠れ蓑に、そうした階層に蔓延する依存症が見逃されてきました。依存症は、社会的地位が低い層、経済的貧困層に多い、と誤解されてきましたが、どの層にも潜む慢性疾患です。

5)アルコール依存症だけでも100万人強と考えられているにもかかわらず、医療の世界でも、心理の世界でも、この領域は忌避されてきました。

そのため、専門機関および専門家が大変少ない。

私たちのところには、仕事で高機能を発揮している、あるいは大成功しているにもかかわらず、アルコール依存、ギャンブル依存、買い物依存、セックス依存、共依存・・・といった訴えがたえません。このセミナーでは、依存症、特に高機能依存症や共依存症について学びます。今まで日本の心理臨床の中で見逃されてきた領域です。

6)高機能依存症で苦しんでいる人が、あなたの周りにもいるかもしれません。その人は、見た目はオシャレでエレガント、身なりを整えていて、身体的にも魅力的、など、いわゆる典型的な依存症の型にはまっていない場合もあります。

あなたのクライエントの人の中核に高機能依存症が潜在しているかもしれません。依存症を恥と考え、依存症について話題にしないクライエントの人は、少なくありません。クライエントの人が高機能の場合、セラピストは彼・彼女の依存症を見逃しがちです。

6)今回、そうしたことを防ぎ、クライエントの人の心身および関係性を真にサポートするために、高機能依存症、その予備軍や傾向性について基本からじっくりと学びます。

7)さて、高機能依存症からの回復や癒し、変容には何が必要でしょうか?

専門医、自助グループはもちろん、個人や夫婦や家族などとのカウンセリングが欠かせません。
人の人生を台無しにしない、棒にふらないために、不可欠です。

8)回復や癒しのために必須のことを、いくつかお伝えします。全体像にご関心がある方は、セミナーをご活用ください。

  1. 依存症を止めさせることから、依存症の人が抱える、生きにくさ(孤独さや誰にもわかってもらえなさ)やライフスタイル全般をサポートすることへ、支援の姿勢を変化させること。
  2. 依存症を患った人の個人的支援のみならず、また、その人の回復支援を目的とする家族支援にとどまらず、家族自身を直接の支援対象とした家族支援を行うこと。
  3. 不寛容(厳罰)・直面化から、受容・動機づけへと、サポート態度を変えること。特に、依存症を負っている人の、回復や癒しへ向けた内的動機づけが重要です。
  4. その他(セミナーをご活用ください)。

9)このセミナーでは、初めて高機能依存症&共依存を取り上げます。時間が許せば、その2つとの関連で、高機能アダルトチルドレン(AC)に関しても取り組みます。

今回のテーマについて、良質なケースをもとに具体的に学びます。

高機能依存症&共依存症に苦しんでいる人は、相当数いらっしゃると思います。このテーマにご関心のある専門家の人、専門家をめざす人、また、一般の人、初心者の人のご参加をお待ちしています。

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日時■ 2018年11月25日(日) 10:00~17:00

会場■ 都内(お申し込みいただいた方に詳細をお伝えします)

講師■ 富士見ユキオ・岸原千雅子