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トランスパーソナル療法と関係療法をつなぐ鍵|2018/06/24

◎ 配布資料+音声データをご購入いただけます

1)トランスパーソナル療法は、素晴らしい可能性を秘めているのに、なぜ、今一つ実践では有効でないのでしょうか?

その一方で、関係療法は、とても実践的で、臨床上有益なのですが、この関係の営みに、トランスパーソナル的な深みを浸透させるには、どうすればいいでしょうか?

その二つの問いは、私たちの長年の課題でした。このセミナーでは、この二つを総合した心理慮法の可能性と実際について、わかりやすく具体的にあなたにお伝えします。

トランスパーソナル療法、関係療法、あるいはその両方の統合に関心のあるあなたのご参加を、お待ちしています。あなたのカウンセリング、セラピー、コーチング、ファシリテーション、コンサルティング、アドヴァイスが、より有益で、より深みを持ったものになるためのセミナーを提供していきたいと考えています。

2)トランスパーソナル心理学は、最も深みと高みのある心理学です。しかし、それは、基本的に一者心理学的です。そこに欠けている、あるいは不十分な点は、関係性への眼差しです。

現代の心理的課題の多くは、関係性へのまなざしがなければ、解決することができません。一者心理学 ~古典的精神分析、ユング心理学、第2世代の認知行動療法など~ から、二者心理学、関係療法的なアプローチへ。とくに臨床の最前線では、一人心理学が機能しなくなってきており、流派を超えて、関係療法的視座が必要なことは、注目されています。

3)関係療法の代表的なものに、対象関係論、対人関係精神分析、間主観的心理療法、メンタライゼーション、マスターソン・アプローチなどがあります。関係療法は、今日、解離、共依存、DV、自己愛性・境界性・スキゾイド性など各種パーソナリティ障害、摂食障害、アルコール・ゲームなどの依存症、アダルトチルドレン、うつや躁うつなどに、なくてはならない療法になっています。

4)トランスパーソナル療法の基本・大半は、一者心理学です。が、その中には、「空」と「縁起」をベースとした関係論も歴然とあります。「縁起」は、トランスパーソナル療法を関係療法へと変容させる鍵となります。従来のトランスパーソナルを、縁起を核として、見直していきます。また、トランスパーソナルと関係療法を掛け合わせ、両者の化学反応から、「トランスパーソナル関係療法」といったハイブリッドな療法についてお伝えします。

5)関係療法に、トランスパーソナルな深みを浸透させると、それはより確かな基盤を得、より有益なものとなるでしょう。

関係療法の代表的なものに、ビオン的対象関係論やメンタライジング・アプローチがあります。その二つが掲げるセラピーの姿勢は、哲学者のソクラテスに始まる「無知の知」です。それは、ミンデルやカスタネダによる「未知へのリスペクト」に相通じます。「無知」や「未知」は、道教の「タオ」や仏教の「無常」を想起させます。

今回、東洋のトランスパーソナルな知見を参照し、ビオン的対象関係論やメンタライジング・アプローチを、よりトランスパーソナルなものに変容させたい、と考えています。

6)トランスパーソナル療法としては、縁起に加え、プロセスワーク、サイコシンセシス、ラムダスのアプローチ、マインドフルネスの視点、ウイルバーのホラーキーなどを、取り上げます。

7)一方、関係療法からは、ビオンの「コンテインド―コンテイニング(contained-containing)」モデルを、特に活用します。それは「包まれるものー包むもの」「中身ー入れ物」「内容物ー容器」などと訳されます。トランスパーソナルに応用すると、「内容物」は「魂」、「容器」は「(その)故郷」と理解できるでしょう。

詳しくは、セミナーでお伝えします。

8)「包まれるものー包むもの」モデルの鍵は、包まれる側が一方的に包まれているのではなく、同時に包む側にもなっている、という点にあります。それは、包む側が、同時に、包まれる側でもあることを意味します。これは、関係療法と、トランスパーソナルな縁起の架け橋になる点です。この点についても、セミナーで詳しくお伝えしていく予定です。

このセミナーでは、トランスパーソナル療法と関係療法を結ぶ鍵、またその両者から生まれるハイブリッドな療法についてあなたとご一緒に学びます。この2つの分野にご関心のある専門家、および専門家をめざす人、また、初心者や一般の方のご参加を歓迎いたします。

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日時■ 2018年6月24日(日)10:00~17:00

会場■ 東京都内(お申込みいただいた方に詳細をお伝えします)

費用■ メールマガジンにてご案内しております。

講師■ 富士見ユキオ・岸原千雅子