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甦れコスモス ~想定外と有事の中で壊れず、生き残るために~|2022/03/27(日)

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1)現在、世界は、政変、戦争、ウィルス、環境破壊、金融危機といった有事に満ちています。100年に1度と思われてきた想定外の出来事が、今後10年に1度、いや、もっと頻繁に生じるかもしれません。それは、私たちの外側の「世界(コスモス)」だけでなく、内側の「世界(コスモス)」をも危機にさらしかねません。

2)C.G.ユング、W.ビオン、H.S.サリバン、H.サールズは、内的世界の有事に、精神病水準の関与を見抜きました。そして、コスモス(世界)を守り、甦(よみがえ)らせるために、内的コスモスの「創造(creation)」「回復(retrieval)」「イノベーション(innovation)」を試みました。

このセミナーでは、コスモスの構築、修正、革新をテーマとします。コスモスの「質(クオリティ)」に着目します。内面に目を向け、内的世界を安全、安心、健康、豊穣なものとし、外的世界における想定外と有事の中で壊れずに生き残ること、正気、繁栄、サステナビリティ(持続可能性)について取り組みます。

3)あなたは多くの人の心の悩みや苦しみ、痛みの真横に、精神病水準が控えているのをご存知ですか?それは、心を圧倒し、破壊し、粉々にする力を秘めています。

4)その破壊力は、「カオス(chaos、無秩序、雑然)」と呼ばれてきました。それは、「コスモス(cosmos、世界、宇宙、秩序)」を圧倒し、粉々にしかねません。

5)カオスは、破壊する力であるとともに、創造する力も秘めています。それは、事象や出来事が現れる「以前」の〈非〉二元的状態です。無秩序、雑然の生まれる「前」の次元です。それは、(単なる「無秩序」ではなく)「混沌」と訳されます。

6)このことから、思想家の井筒俊彦氏は、コスモスを圧倒し、破壊し、粉々にする力を、(「カオス」ではなく)「アンチ・コスモス」と言い換えました。一方、全てのものを無に帰し、同時に全てのものを生む力を「カオス」と呼びました。どういうことでしょうか?

7)「アンチ・コスモス」は、「コスモス(秩序だった世界)」に〈敵対〉し、〈対抗〉する勢力です。一方、〈混沌〉である「カオス」は、「ゼロ」であり「無」です。それは、コスモスに対抗しません。

8)「ゼロ」であり、「無」である〈カオス〉から、「有」である〈コスモス(秩序)〉と「有」である〈アンチ・コスモス(反秩序)〉とが、同時に生まれます。その現象を、思想家の丸山圭三郎氏は、〈カオスモス〉(=コスモス+アンチ・コスモス)と命名しました。コスモスとアンチ・コスモスとが、同時に生まれるとは、どういうことでしょうか?

9)ここで、〈アンチ・コスモス〉が「有」である点に、注意が必要です。それは、「無」ではりません。
なぜ、アンチ・コスモスは「有」なのでしょう? セミナーで、学びませんか?

10)さて、ビオンが想定した精神病水準は「アンチ・コスモス」です。それは、「死」や「破壊」の力でいっぱいです。一方、ユングの精神病水準は、「カオス的」です。なぜならそれは、「破壊」と共に「創造」の力を、「死」と一緒に「生」の力を含んでいるからです。

11)人は、「コスモス」、つまり秩序だった世界や宇宙なしには、生きられません。たとえば、人間にとって最初で最小の世界は、「家族」です。「学校、会社、社会、国家、地球」も、それぞれ1つの宇宙です。それらにはすべて、秩序だったコスモスが不可欠です。

12)そうした「外的」コスモスだけでなく、「内的」コスモスも不可欠です。深層心理学は、心の内面にコスモス「創造」「回復」「イノベーション」を企図するものです。

13)人間にとって最も恐ろしいアンチ・コスモスの力は、精神病水準に潜みます。精神病水準にさいなまれないためには、「原抑圧(primary repression)」が欠かせません。原抑圧が上手くいっていなかったり、強烈なトラウマ体験によって原抑圧に亀裂や穴があると、そこから精神病水準の破壊力が、内的コスモスに侵襲します。(注:あなたは「原抑圧」について聞いたことがありますか?

セミナーでは、〈精神病〉水準にかかわる「原抑圧」についてご説明します。また「原抑圧」と、〈神経症〉水準に関する(フロイトの)「抑圧」との違いについて、お伝えします)

14)原抑圧されない精神病水準の力は「無意識」ではなく、「非意識」です。現代人は、それを「解離」で防衛しようとします。が、それは(原抑圧に比べると)「脆弱で、薄く、硬い」防衛法です。硬い、すなわち柔軟性がなく、同時に脆弱で薄いため、何らかの刺激で(簡単に)崩壊したり、フラッシュバックを引き起こしたりします。

精神病水準の力あるいは非意識は、いわば「生(なま)の素材」で、ビオンが「プロトメンタル(原始的精神)」、ユングが「サイコイド(類心身・類心物的)」と呼んだものです。

15)さて、アンチ・コスモス(反コスモス)には、2種類あります。1つは、コスモスと同様、固有の「世界、宇宙、秩序」を持つものです。それは、精神科医H.ローゼンフェルドによると、マフィア、暴走族、テロリストが好む軍事階層的コスモスです。そこには、裏社会なりの体系や組織、構造、そして秩序があります。この反コスモスは心理学的には、自己愛構造体、病理的組織と呼ばれ、パーソナリティ障害の中核にあります。

16)もう1つのアンチ・コスモスは、体系化、組織化、構造化されていない「未構成」「未整理」「未秩序」の力や強度からなる非意識的「アノミー(anomie)」です。「アノミー」は、社会学者デュルケームが提唱した言葉で、社会的秩序が崩壊したときに生じる「無秩序的状態」です。

17)裏社会的アンチ・コスモスは「パーソナリティ障害」水準に、未構成のアノミー的アンチ・コスモスは「精神病」水準に、属します。2つは共に死や破壊の力を含んでいますが、質が異なります。

このセミナーでは、2種類のアンチ・コスモスと
(a)どのように対峙したらいいのか、
(b)どうしたらそれにやられずに生き残れるか、
(c)どのようにして刷新できるのか、
に取り組んでいきます。

18)人は、「コスモス」、つまり秩序だった世界や宇宙なしには、生きられません。が、現代世界は、アンチ・コスモス的要因にとり囲まれています。それは内外のコスモスを危機に陥れかねません。この「危機(危険+好機)」をどう乗り越えていくといいのでしょうか?

どうすれば、ピンチ(危険)をチャンス(好機)に、変えることができるのでしょうか?

危機状態に陥る心や、家族、親しい関係、組織を守ること、危機状態から新たな創造性を見出すことに、ご関心はありますか?

19)対象関係論のM.クラインは、精神病の中核には、死や破壊衝動があるといいます。それは、「コスモス」を壊します。

20)一方でそれは、「カオス(混沌)」を殺すこともします。たとえば『荘子』では、「混沌」が〈殺され〉ます。(注:それは、(7つの穴のある)「人間」の〈誕生〉を意味します。詳細は、セミナーでお伝えします)

21)「死」は、コスモスとカオスの〈両方〉を「破壊」するのです~そして、アンチ・コスモスをも~。が、同時に、「再生」や「再創造」を後押します。大切なのは、死や破壊の「回避」ではなく、「関わり方」です。

22)なぜ「関わり方」に着目するといいのでしょうか?

(a)パーソナリティ障害水準の裏社会的アンチ・コスモスと、精神病水準の未構成でアノミー的アンチ・コスモスとに潜在する「死」と「破壊」に、命、人生、関係性を台無しにされないためです。

(b)硬直した既得権益まみれのコスモスを「破壊」するためです。

(c )「混沌」を破壊する「死」に従って、コスモスを「刷新」するためです。

(d)1番大切な理由は、セミナーを楽しみにしてください。

23)コスモス創造や刷新には、文化人類学のいう「宇宙的中心軸(アクシス・ムンディ)」が欠かせません。それは、たとえば、『旧約聖書、創世記』のヤコブの夢、『日本書紀』の葦の芽が、それに当たります。アクシス・ムンディを中心に、「世界、宇宙、秩序」が生まれたり、再生されたりします。(注:セミナーでわかりやすくご説明します)

24)それには、コスモス、アンチ・コスモス、カオスについて理解を深め、その3つの間で展開する「運動」に着目することです。それについて、ユング、ビオン、サリバン、サールズから振り返ります。あなたは、コスモスの創造、回復、イノベーションにご関心がありますか? 宇宙的中心軸を見出すことについては、いかがですか?

25)このセミナーでは、コスモスの構築、修正、革新をテーマとします。コスモスの質に着目します。内面に目を向け、内的世界を安全、安心、健康、豊穣なものとし、外的世界における想定外と有事の中で壊れずに生き残ること、正気、繁栄、サステナビリティ(持続可能性)について取り組みます。

家族やビジネス、組織の創造、刷新に興味のある方にも、おすすめです!

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日時■ 2022年3月27日(日)10:00~17:00

会場■ zoomオンライン会議(お申込みいただいた方に詳細をお伝えします)

費用■ メールマガジンにてご案内しております。

講師■ 富士見ユキオ・岸原千雅子