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1)現代心理療法の最重要テーマの1つに、「ナルシシズム(自己愛)」があります。
あなたは、精神分析やトランスパーソナル心理学などが、過去数十年の間に取り組んできた最大の課題の1つが、ナルシシズムであることをご存知ですか?
2)今から約30年前、トランスパーソナル心理学の文献に、ナルシシズムが多いことに気づき、驚かされたことをよく覚えています。しかし、当時は何のことかよくわからず、混乱し、右往左往していました。日本のトランスパーソナルで、ナルシシズムが積極的に取り上げられる機会は、ほぼ皆無でした。心に引っかかったまま、このテーマを心に置いておくことにしました。
3)が、臨床を重ねていくと、日本でもナルシシズムが心の大変重要な課題であったことに、少しづつ気づくようになったのです。「自己愛性パーソナリティ障害」が、「境界性パーソナリティ障害」や「境界例」と誤解されることの多い点も、よく把握できるようになりました。
私たちは、現在、日本におけるパーソナリティ障害で最も多いのが、「隠れ自己愛(closet Narcissism)」であると、理解しています。あなたは、隠れ自己愛性障害について、聞いたことがありますか?
4)このセミナーでは、自己愛または自己愛障害性について、「4つの型」とスピリチュアリティの観点から取り組みます。「4つの型」を考える上で、次の指標が参考になります。
「顕示型VS隠れ型」そして「鈍感VS過敏」という2つの対立軸からなる4つの指標、4つの型です。
4つの型とは・・・
(A)鈍感な顕示型自己愛
(B)過敏な顕示型自己愛
(C)鈍感な隠れ型自己愛
(D)過敏な隠れ型自己愛
5)「自己愛」と聞くと、厚顔で鈍感な顕示型の人をイメージする人が多いのではないかと思います。たとえば、昭和の政治家タイプやサディスティックな女王様キャラ。
6)しかし、自己愛は、それだけはありません。大別して4つあります。私たちが臨床で発見したオリジナルな視座です。今回はじめて、自己愛の4つの型すべてについて、お伝えします。
7)自己愛と聞くと「オレがオレが」「私、私」と、押しの強い目立ちがり屋をイメージをするかも
しれません。しかし、J.マスターソンによると、「隠れ型」自己愛もあります。
「いいえ、私なんて、とてもとても・・・」と、一見、謙虚ですが、心の中には顕示型に優るとも劣らない自己中マインド、自己愛的傷つき、自己愛憤怒、恨みつらみでまみれていたりします。たとえば、子どもにいい子を強要する母子関係に、隠れ型が潜んでいることが少なくありません。
8)かつて私たちは、自己愛障害を、顕示型に加えて隠れ型の2つから考えていました。
これだけでも、臨床的には大変有用でした!
しかし、J.マスターソン、H.コフート、O.カーンバーグ、G.ギャバードをじっくりと読み直してみると、隠れ型には、敏感型と鈍感型があることが見えてきたのです。表から裏に隠れるくらいですから、隠れ自己愛には過敏で傷つきやすい人が多いのでは、と考えていたのですが、鈍感型も少なくないことが、明らかになってきたのです。
あなたは、ひきこもりがちで隠れがちな鈍感タイプの自己愛を想像できますか?
9)これが明らかになると、顕示型にも、鈍感タイプだけでなく、傷つきやすい敏感な型のあることが見えてきたのです。顕示型(目立ちがり屋)でありながら、過敏で傷つきやすい自己愛。あなたはこのタイプを想像できますか?
10)このセミナーでは、4タイプの自己愛について、基本から最先端までを学びます。具体的な事例もご用意して解説します。あなたの心理臨床、コーチング、コンサルティングに大変有益です。
11)ナルシシズムの中心には、コフートが述べたように「鏡(mirror)」のテーマがあります。この鏡は、母親が乳児の心を映し返すことを言います。
12)しかし、それだけではありません。鏡は時に、人間の母親力を超えた、不可思議な力を持ったものとして描かれます。たとえば、白雪姫に登場する鏡は、自己愛的な白雪姫のお母様に返答しました。またアニメ「ひみつのアッコちゃん」の鏡は、アッコちゃんをいろいろな姿に変えたりすることができる、不思議な力を持っていました。
13)世界中のスピリチュアルな諸伝統が、鏡を、スピリチュアリティを映し出す媒体としています。たとえば、禅宗では良質なマインドフルな状態を「明鏡止水(めいきょうしすい)」、と鏡をメタファーとして表現します。
13)このセミナーでは、ナルシシズムの病理を超える媒体としての、不可思議な、またスピリチュアルな鏡にも着目します。
14)近年、『敏感すぎる人(=HSP)・・・』や『臆病な自分・・・』といったタイトルの書籍について、クライエントの人が話題にすることが増えています。敏感さや臆病さは、ナルシシズムと照らし合わせると、その本質が見えやすくなります。
特に、H.ローゼンフェルドやJ.シュタイナーといった新しい対象関係論のスペシャリストによる「自己愛構造体」の視座が有用です。自己愛構造体は、ナルシシズムと取り組む上で不可避の視点です。
15)今回、心理療法、コーチング、コンサルティングでよく見られながら、その内容および取り扱いがよく理解されていない自己愛について、4つの型から考えます。また、ナルシシズムとスピリチュアリティに関しても見ていきます。特に、自己愛構造体との関連で、過敏さ、臆病さ、またそれらと逆の、鈍感さについても基本から学びます。
16)このセミナーでは、ナルシスムについて多次元的、ホリスティックに学びます。あなたは、対人援助の専門家として自己愛の臨床について困っていませんか?行き詰まっていませんか?
あなたの周囲には自己愛障害的な人はいますか?
その人との関係のとり方が難しくて苦心していませんか?
あなた自身、自己愛の課題を抱えていて、生きにくいところがありますか?
17)今回、自己愛についてご関心のある専門家の方および一般の方、初心者の方のご参加を歓迎いたします。
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日時■ 2020年1月26日(日)10:00~17:00
会場■ 都内(お申込みいただいた方に詳細をお伝えします)
費用■ メールマガジンにてご案内しております。
講師■ 富士見ユキオ・岸原千雅子