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エコサイコロジー(ecopsychology)への招待~ 内なる自己と自然環境、つながりの持続可能性に向けて~|2021/6/27(日)

エコサイコロジー(ecopsychology)への招待~ 内なる自己と自然環境、つながりの持続可能性に向けて~

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1)あなたは、「エコサイコロジー(ecopsychology)」という言葉を聞いたことがありますか?

それは、エコロジー(ecology)と心理学(psychology)の統合、連携から生まれた新しい領域です。この概念が、歴史学者であり小説家でもあるTheodore Rozak博士によって提唱されたのは、1992年のこと。それから約30年の間、日本で話題になることは、ほとんどありませんでした。しかし、このエコサイコロジーの概念やあり方は、その後国連サミットで2015年に採択されたSDGs(持続可能な開発目標)について、あるいはあなた自身のサステナビリティについて、考える上で、大変有益な視座を与えてくれます。

2)Rozakによると、エコサイコロジーは、意識化されることがなかったものの、少なく見積もっても4万年にわたり、人類によって実践されてきたと言います。今日のエコサイコロジーは、外的自然環境と内的自然環境の両方に意識(consciousness)的になることを目的とします。従来のエコロジーは、外的自然環境(生態系)に眼差しを向けてきました。

一方、心理学は、内面志向的、あるいは自分、関係、家族といった人間中心あるいは自己愛障害的で、自然環境に意識を向けることはほとんどありませんでした。(注:なぜ自分、関係、家族を志向する心理学が自己愛障害的なのでしょうか? セミナーでご説明します。)

3)これに対して、エコサイコロジーは、外的自然環境と人の内面や情緒との間に、橋を架けるものです。自然環境と人の心身とのウィン-ウィン関係を育成し、自然および私たちの健康、両方のサステナビリティに対し、意識的になることを意図します。

4)エコサイコロジーは、現代人が「エコロジカル・セルフ(ecological self)」を形成する過程を支援するものです。あなたはエコロジカル・セルフという持続可能な主体について、聞いたことがありますか?

エコロジカル・セルフには、次の点が含まれます。
・自己(self、セルフ)概念に自然が含まれていること、あるいは、自然に包含されたものとして自己をとらえること。
・自己と自然との境界をはっきりとさせた上で、自然との良好な関係にある自己であること。
・自然との関係のあり方が、自分、関係、家族、組織のウェルビーイング(well-being、健康、幸せ)に影響している点に、自覚的なこと。
・自然環境への一方的な甘えや未成熟で搾取的なマインドとは異なる、自然環境に対するスチュワードシップ(stewardship、管理監督責任)やジェネラティビティ(generativity、生殖性、承継性)の意識や感覚が
あること。
・リサイクルへの志向性。
・有機的相互関係の中ですべてのものが存在することへの理解と意識。

5)エコサイコロジーは、人は自然環境の一部であり、人の心が環境の影響を受けないことはない、と考えます。言われてみれば当然ですが、そうしたシンプルな理解が、従来の心理学ではないがしろにされてきました。エコサイコロジーは、自然環境による私たちの心身のあり方、情緒、健康、幸せへの影響について考えます。

自然環境から切り離され孤立し、自立・自助を前面に打ち出すことで形成された、近代的(自己愛障害的)自我と、
近年の環境問題との関係についても目を向けます。心の痛み~たとえば、抑うつの苦悩~を、個人、関係、家族の病理という人間関係の文脈の中だけに限定せず、内的および外的自然環境との断絶から考えます。それには、セルフ(self、私)が人間関係の文脈から解放され、自然環境(生態系)の文脈に組み入れられること、つまりエコロジカル・セルフへの変容が求められます。

6)Rozakは、エコサイコロジーの中核に次の考えがあると述べます。

・人間のウェルビーイングと、地球環境のウェルビーイングとは密接に関係している。
・心の中核には、「エコロジカルな無意識(ecological unconscious)」がある。
・エコサイコロジーの目標は、エコロジカルな無意識に潜在する「環境的相互利益への生得的感覚(inherit sense of ecological reciprocity)」の覚醒である。
・エコロジカル・セルフは、地球に対する倫理的責任感に向けて成長、成熟していく。
(注:Rozakの考え方全般については、セミナーでお伝えします)

7)Rozakの「エコロジカルな無意識」とは、なんでしょうか?

彼はエコロジーはもちろん、精神分析やユング心理学にも造詣が深く、その無意識は、ユングの普遍的無意識、マレー・ボーエンの情動、ハロルド・サールズのノン・ヒューマン環境から影響を受けています。詳しくは、セミナーでお伝えします。あなたは、「エコロジカルな無意識」に、ご関心がありますか?

8)エコサイコロジーは、「トランスパーソナル・エコロジー(transpersonal ecology)」、「エコソフィー(ecosophy、エコ哲学)」、「ディープ・エコロジー(deep ecology)」、「緑の心理学(green psychology)」、「エコスピリチュアリティ(eco-spirituality)」、「エコフェミニズム(eco feminism)」などと共に、進展してきました。

9)ベトナム人禅僧、ティク・ナット・ハンやチベット仏教のダライ・ラマによる「行動する仏教(engaged Buddhism)」、カルロス・カスタネダやマイケル・ハーナーの「シャーマニズム」、ルドルフ・シュタイナー、タオイズムなどが、エコサイコロジーのスピリチュアルな側面に影響を与えています。そうしたスピリチュアリティは、外的および内的エコロジーの野生やいのちに着目するものです。エコサイコロジーは環境と心との関係に加えて、スピリチュアリティについても配慮しています。

10)心理学としては、「世界の魂(anima mundi)」に配慮したジェームズ・ヒルマンの元型的心理学や、「地球の心理学」を提唱するアーノルド・ミンデルのプロセスワークが、現在のエコサイコロジーを理解する上で不可欠です。また、ユング心理学と、トランスパーソナル心理学者、ラルフ・メッツナーやアンジェラス・エイリアン、グレゴリー・ベイトソン、フレックス・ガタリの寄与も忘れられません。それらについては、セミナーでご説明します。

11)西洋の考え方に比べて、東洋の考え方は自然に優しく、自然と共存共栄を図りやすい、ということを聞くことがあります。が、戦後、環境破壊がいち早く進んだ国が日本ですし、原発の問題を未解決なまま抱えているのも日本です。また、発展途上にある東洋のたくさんの国で、自然破壊が進んでいます。それらを、どう考えたらいいのでしょうか?

エコサイコロジーは、立脚点を外側および内側の両側面に向けることで、そうした環境破壊について見直すことを試みます。

12)エコロジー(ecology、生態学)の「エコ(eco)」と、エコノミー(ecomomy、経済)の「エコ(eco)」とは、共に古典ギリシャ語の”oikos(オイコス)”を語源としています。oikos(オイコス)とは、「家(house)」や「家族(family)」を意味します。エコサイコロジーは、エコロジーとエコノミーとが足を引っ張り合うのではなく、両者が調和しあえる柔軟でサステイナブルなライフスタイルについて提案しています。そこには、地球規模での「家」および「家族」に向けた壮大な眼差しがあります。そんなエコサイコロジーの戦略について、ご一緒に学びませんか?

13)今回、エコロジーと心理学をつなぐ「エコサイコロジー」の初歩から最先端をご紹介します。この分野にご関心のある対人援助の専門家、専門家を目指す方、初めて聞く内容だけれど、エコサイコロジーの考え方を日々の暮らしに、また家族、ビジネスに活かしたいと考えている一般の方、初心者の方、そしてあなたのご参加・ご購入をお待ちしています。

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日時■ 2021年6月27日(日)10:00~17:00

会場■ zoomオンライン会議(お申込みいただいた方に詳細をお伝えします)

費用■ メールマガジンにてご案内しております。

講師■ 富士見ユキオ・岸原千雅子