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マネー・コンシャスのすすめ ~「お金の障害」とファイナンシャル・セラピー~|2021/5/30(日)

マネー・コンシャスのすすめ ~「お金の障害」とファイナンシャル・セラピー~

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1)あなたは、「お金の障害(money disorder)」について聞いたことがありますか?

お金の障害は、ファイナンシャル・セラピーの提唱者、Bradley Klontz博士、Kristy Archuleta博士などによって生み出された言葉です。それは、お金に関する慢性的な苦しみや、負の連鎖の〈核心〉を見抜くための視座です。お金や金融、家計、経済、相続などに関する、痛みや苦悩に満ちた、あるいは、はまりこんで出口が見いだせない考え方、認知、行動、姿勢を「障害(disorder)」と特定することには、メリットがあります。

第一のメリットは、人が「マネー障害」による悪循環から解放され、自信や誇り、力を回復するためのツールになります。ふたつには、マネー・コンシャス、すなわちお金に意識的になることができ、お金との自覚的にかかわるようになることで、人生全般のQOL(生活の質)を高めることができます。それは、クライエントの長期的で全体的利益に向けたものです。ホリスティックな人生の応援になります。

2)「お金の障害」には、代表的なものが9つあります。今回、それらに関する基本と取り組みについて学びます。そのうち2つは、DSM(精神障害の診断・統計マニュアル)第5版に記載されています。

①「ギャンブル障害」
②「ため込み障害」

が、それに当たります。その他、

③「強迫的買い物障害」
④「仕事依存症」
⑤「お金の否認」
⑥「マネー・イネイブリング」
⑦「お金の依存症」
⑧「マネー・エンメッシュメント」
⑨「お金の背信」

があります。これらに加えて、

⑩「うつによる貧困妄想」
⑪「躁による万能妄想」
⑫「自己愛構造体の万能妄想」
⑬「永遠の少年の万能妄想」
⑭「ADHDの衝動性」
⑮「共同幻想(共投影)による陰謀論」

も、代表的「お金の障害」にあたります。

3)2008年のアメリカ心理学会における年次報告によると、アメリカ人のストレスの最大の要因は、「お金」でした。仕事や病気、家族や子ども、離婚、死別ではなく、実に全体の80%が、「お金」がストレスの最大の要因である、と述べたのです。にもかかわらず、Klontz博士によると、アメリカのセラピストたちは、マネーに関するトレーニングをほぼまったく受けていません。

この状況は、日本でもなんら変わりません。セラピーやカウンセリングで、お金や金融が中心テーマになることはほとんどなく、クライエントが、お金についてセラピスト、カウンセラーに安心して正面から相談することは、大変少ないのではないでしょうか?

4)ファイナンシャル・プランナーは、ファイナンス(お金、金融、家計、経済)のプロです。お金に関して、数字やエビデンスに基づいた合理的なアドバイスを行います。その一方、ファイナンシャル・プランナーがマネー障害の援助をすることは困難です。なぜなら、マネー障害には、「心」「情緒」「人間関係」「家族関係」といった非合理的側面が直接的に関わっているためです。そのため、せっかくの合理的で妥当なファイナンシャル・プランが機能しにくい。そのことに、ファイナンシャル・プランナーの方々は、直面させられていることでしょう。

5)マネー障害との取り組みには、ファイナンシャル・プランニングとセラピーとの統合的まなざしや連携、協働が必要です。この領域は、業際的、統合的な新分野です。ストレスの最上位に属するテーマであるにもかかわらず、
長年放置されてきた領域です。

6)「お金の障害」について、いくつか簡略にご説明します。

(a)「マネー・イネイブリング(financial enabling)」とは、家族や近親者の金銭的要求に対し、「ノー(No)」を言うことなく、巧妙に金銭要求者をコントロールすることです。家族や近親者の経済的尻拭いを繰り返すことで、家族や近親者の心理的健康を削ぎ、共依存を煽(あお)り強化することです。ギャンブル依存、薬物依存、アルコール依存、買い物依存などと密接に絡み合っていることもしばしばです。

(b)「お金の否認(money denial)」は、精神的苦痛から逃れるために、お金の現実的問題を矮小化、回避することです。その他、お金の障害には、重要な概念が多々あります。詳しくはセミナーで、具体的な例をあげながらご説明していきます。

7)新しい分野として、ファイナンシャル・セラピーに加えて、ファイナンシャル・カウンセリング、ファイナンシャル・コーチングが生まれています。セミナーでは、それらにも簡単に触れていきます。ファイナンシャル・コーチングは、お金に関する解決志向的、目標達成的アプローチであり、クライエントの行為・行動が最適化されるよう支援するものです。ファイナンシャル・プランニングと相性がいい領域です。

8)一方、ファイナンシャル・セラピーは、お金、金融、家計、経済に対する苦悩に満ちた考え方、認知、行動、姿勢についてのものです。そこでは、投影、転移-逆転移、投影同一化、エナクトメント、妄想、陰謀論といった病的で非合理的なものが取り扱われます。ここは、ファイナンシャル・プランニングやコーチングに欠落している領域です。

9)ファイナンシャル・セラピーは、通常のセラピーに比べて、アカウンタビリティ(説明責任)に対する意識が強く、通常のファイナンシャル・プランニングに比べて、クライエントとの関係作り、協働への意識が高くあります。セラピスト-クライエント間のやり取りを通じて、粘り強く、ていねいに納得感、了解感、腹落ち感を形成していくのが、その基本です。

10)「お金」と「心」は表裏一体です。また、そこに「対人関係」「家族関係」も加わります。「お金」「心」「関係性」は一体である、とファイナンシャル・セラピーは、考えます。お金、心、関係性のいずれかがが優先されることはありません。ホリスティックなまなざし、バランスが重視されます。

11)お金だけのことを考え、一時的な利益につながっても、長期的で全体的利益は生まれない。お金だけのことを考えることは、全体のバランスを壊し、長期的利益を台無しにする毒や害になりかねない、とファイナンシャル・セラピーは考えます。ファイナンシャル・セラピーは、サステナブルな利益のために、お金、金融、家計、経済について取り組む新領域です。

12)今回のセミナーで取り組むのは、お金に意識的、自覚的につきあうことのできる、『マネー・コンシャス』な生き方のすすめです。お金の障害に目を向けることは、自分と向き合う上でまたとない好機となります。お金の障害には、長年避けてきたユングのいうシャドウ(影)や関係療法のいう対人関係の未解決の課題が埋められています。それらと向き合うのは、簡単ではありません。しかし、ユングやK.ウィルバーがいうように、あなたの長期的で全体的利益と健康に寄与します。

今回、マネー・コンシャスな人生について、お金の障害とファイナンシャル・セラピーについて、ご関心のある対人援助の専門家、専門家を目指す方、初めて聞く内容だけれど、お金の障害とファイナンシャル・セラピーを日々の暮らしに、また家族、ビジネスに活かしたいと考えている一般の方、初心者の方、そしてあなたのご参加・ご購入をお待ちしています。

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日時■ 2021年5月30日(日)10:00~17:00

会場■ zoomオンライン会議(お申込みいただいた方に詳細をお伝えします)

費用■ メールマガジンにてご案内しております。

講師■ 富士見ユキオ・岸原千雅子