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家族の発達臨床心理学

◎ 2019年7月5日(金)〜 全10回 対面開催
◎ 配布資料+音声データをご購入いただけます

1)長期な視野を持って、良質な家族をじっくり、ゆっくりと育む。ファミリーに潜在する豊かさや肯定的な側面を見出し、好循環を生み出す家族システムへと変容していく、そのプロセスをサポートする。世代を超えて持続可能なファミリーとなるよう、家族の関係を支援する。こうした想いを抱きながら、ファミリーセラピストは、日々の家族臨床を行っています。

この連続講座では、家族を、発達や成長の観点からとらえ、専門家、および専門家を目指す人が、どのようにファミリー支援を行うかについて、学んでいきます。加えて、ご自身のファミリーの成長発展に、役立てていただける内容をご用意しています。

「あの時こんな講座があればよかったのに」「今回、学んでよかった」と実利を感じていただける中身です。

2)家族は個人と同様、変化を止めることは
ありません。

変化の代表的なものは、発達です。

発達は、一見ポジティブに聞こえますが、
その過程は危機に満ちています。

たとえば、誕生、入学、巣立ち、結婚、出産、
そして中年期、老年期、死。

3)こうした各時期を総称して、「ライフサイクル」
または「ライフコース」と言います。

ライフサイクルやライフコースには、
いくつかの節目、変わり目、変化のときが
必ず存在します。
家族は、節目節目で危機と遭遇します。

そして家族はその都度、乗り越えなければならない
課題に直面します。

なぜなら、発達の節目節目とは、家族にとって
危険(ピンチ)と好機(チャンス)の両方を
経験するのが自然だからです。

つまり家族は、発達するたびに「危機」と
遭遇することになります。

発達心理学では、節目や変わり目ごとに、
チャンスとピンチの両方が存在する、
すなわち「危機」に直面する、というプロセスを、
ごく自然なことと理解します。

それを知らないでいると、大事な発達や変化を、
危険でマイナスなこと、避けるべきこと、
病的なことと誤解しかねません。

そのことによって、本来は健全な成長過程や、
必要な変容のプロセスであるにもかかわらず、
問題や取り除くべきもの、病いや忌み嫌うべきもの、
と勘違いし、苦悩を長引かせてしまう家族が
少なくありません。

4)この連続講座では、家族が成長に伴って直面する
大切な発達課題、および、そこで生じる危険と好機
を理解し、その解決法について学びます。

危機について知らないでいると、
進展のプロセスを止めてしまいかねません。

また、必要な発達過程や課題を学ばないと、
成長や変容の潜在可能性までもが、
排除されかねません。

誤解に基づく家族への取り組みは、
問題の核心から目をそらさせ、家族全体を停滞させます。

家族の精神を腐らせ、バラバラにしかねません。

5)家族が停滞し、精神や気が病むと、
抑うつ的になったり、
あるいは、その抑うつを否定するために、
気分が興奮・高揚する躁状態を
人工的に作り出そうとしたりするかもしれません。

パートナーの不倫や子どもの引きこもり、
キッチン・ドリンク、ワーカホリック、
ドメスティック・バイオレンスなどの背景に、
やり残され、放ったらかしにされたままの
家族の発達課題の集積が関係していたりします。

6)たとえば、思春期の子どもは、
精神的、社会的に巣立ちの準備を始めます。

しかし成熟していない家族は、このプロセスを
家族や親への反抗や裏切りと誤認したりします。

子どもにとっての成長の好機が、
家族には危険と映るのです。

危険をいかに好機と読み替え(リフレーム)するか、
が大事であるにもかかわらず。

7)子どもの成長の好機を危険と見誤う家族に、
夫婦関係の停滞が、潜んでいることも少なくありません。

子どもの思春期は、親世代の更年期や思秋期
(人生の秋の時期)と同時にやってきたりします。

このとき、親は、子どもの成長や巣立ちの
テーマに加えて、自分たちの中年の危機の課題と
直面せざるを得ない場合が、ままあります。

住宅ローンや教育費、不倫や離婚など夫婦の問題、
さらには自分たちの病気、両親の介護といった課題が、
同時に、また並行して浮上したりします。

8)こういった危機は、深層心理学的には
普遍的、典型的なもので、
必ずしもマイナスではありません。

子どもにとってだけではなく、両親にとっても、
また、家族全体にとっても成長発達の端緒
となります。

しかし、渦中にいる家族や個人にとっては、
未来が見えず、痛みや苦悩ばかりが蔓延する
負の体験にしか感じられないことでしょう。

この過程をキリスト教では、
「魂の暗夜(dark night of the soul)」と
呼びます。

9)ファミリーセラピーを通じて繰り返し目にするのは、
新しい価値観や創造性を受け入れた家族が、
成長、変容、発展し、
骨太で持続可能な家族になる、ということです。

古い価値観にとらわれていると、
表面的に取り繕うことはできても、
深部で停滞や腐敗、崩壊が進みます。

10)ところで、家族は、個人にとっては
手枷足枷でしかないのでしょうか?

いいえ、そうではありません。

思想家の内田環氏は、若いころ、
彼が現在専門にしているエマニュエル・レビナスの
難解な哲学が全くわからかったといいます。

あるとき、同僚に遅れをとるのを恐れ、覚悟しながら、
数年間子育てに没頭したそうです。

そしてある日、レビナスを紐解くと、
不思議にわかり始めたというのです。

育児に奮闘する中で、自分の精神が陶冶され、
大人になった、成長できたからではないか。
これは、哲学書を読んでいただけでは、
達成できなかった。
レビナスが理解できるようにはならなかっただろう、
といったことを、内田氏は述べています。

人生の中で無駄なことはない、すべて思索の糧になる、
と考えるようになり、
家事により一層専念するようになった、
ということです。

これは、カウンセラー、セラピスト、コーチ、
コンサルタントにもあてはまります。

家族との取り組み、家族へのコミットは、
対人援助の力を促します。

また一人一人の心の成長発達、成熟を後押しします。

11)家族に危機が現れるのは、
ライフサイクルにおける節目の時です。

節目の時とは、前にも述べた通り、
誕生、入学、巣立ち、結婚、出産、中年期、老年期、
死などを指します。

各節目には、普遍的、典型的なプロセスが
潜在します。

このプロセスを学ぶことで、家族は、危機を
うまく乗り越え、経過できるでしょう。

ですので、家族の発達臨床心理学を学ぶことは、
家族の持続可能性に向けた、「予防家族学」
になります。

同時に、家族力を増強し、家族の健康を増進する
「家族筋トレ」にもなります。

12)今回の家族の連続講座のテーマは、
「家族の発達臨床心理学」です。

これを、深層心理学の視座を加味して進めます。

基本からわかりやすくお伝えします。

家族療法や夫婦療法の初心者の方、
発達・成長心理学になじみのない方にも
十分理解が進み、有益な内容となることを
意図しています。

もちろん、セラピスト、コーチ、コンサルタント
および専門家を目指す人に、
ご活用いただける実利的中身をご用意しています。

ファミリービジネス・コンサルタント、ケースワーカー、
教師、医師、ナース、相続アドバイザー、
税理士や弁護士、保険や金融の専門家で、
ファミリーに関わる対人援助を行っている方に、
心からお勧めしたい講座です。

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日時■ 2019年7月5日(金)〜全10回 毎月第1金曜日 19:00~20:50

会場■ 都内(お申込みの方に詳細をお伝えいたします)

費用■ メールマガジンにてご案内しております。

講師■ 富士見ユキオ・岸原千雅子