に投稿

瞑想とアートセラピー

瞑想とアートセラピー~ライフギバー(いのちの贈与者)の心理学~

◎ 2020年11月27日(金)〜 全10回 オンライン開催
◎ 配布資料+音声データをご購入いただけます

1)近年、マインドフルを中心とした瞑想に注目が集まっています。しかし、瞑想には大別して、2種類の方法があることはあまり知られていません。その1つは「集中型瞑想」、もう1つは「アウェアネス型瞑想」です。

2)集中型においては、ある1つの対象に集中し、瞑想していきます。たとえば、真言(マントラ)、声明、念仏にフォーカスします。これは聴覚に集中するタイプの瞑想です。それに対し、視覚を用いるものとしては、お線香やロウソクの火、マンダラ、イコンなどがあります。身体に集中するものとしては、ヨーガのアーサナ(ポーズ)、太極拳、スーフィーダンスなどがあります。その他、五感をベースにした、さまざまな集中瞑想があります。連続講座でご紹介します。

3)アウェアネス型には、クリシュナムルティやグルジェフといった神秘主義者の提唱するもの、チベット密教のゾクチェン、小乗仏教のビパサナー、また精神分析の創始者フロイトが唱えた「平等に漂う注意」やビオンの「記憶なく、理解なく、欲望なく」があります。

アウェアネス型においては、どこにも集中することなく、心や身体の内側で起きていること、頭の中に浮上すること、自分の身体の外、部屋や建物の外で起きていることを分け隔てなく、生じていることにあるがまま、気づきを向けていきます。フロイトやビオンのやり方も、典型的なアウェアネス型の瞑想です。理由については、講座で詳しくお伝えします。

4)集中型とアウェアネス型の中間にあって、統合的なのがマインドフル瞑想です。日本の曹洞禅のやり方がこれにあたります。なぜ禅宗のマインドフル瞑想が、中間型あるいは統合型なのでしょうか?

5)集中型では「雑念」が問題となります。雑念に気が散ったたならば、意識を戻して再び集中に戻るようにします。集中型では、意識は必ず変性状態になっていきます。

これに対してアウェアネス型では「雑念」をマイナスにとらえません。雑念こそが、瞑想のいいネタとなります。どうしてでしょうか?

ちなみに、アウェアネス型では、意識は変性にではなく、素面になっていき、覚醒していきます。

6)この両方を心理錬金術的に活用するのが、プロセスワークのインナー・ワークです。また、イラ・プロゴフによるユング派志向の「ジャーナル・ワーク」です。今回、インナー・ワークとジャーナル・ワークも、ご紹介します。

7)瞑想は「冥界を想う」ことです。冥界を想像すること、想起することを、T.ムーアやJ.ヒルマンは「魂の世話(care of the soul )」と言います。今回、魂のケアについても取り組みます。

8)子どもがおままごとや砂遊びをするとき、子どもは砂(物理的世界)と、砂の山や城、おだんごなど(想像的世界)を同時に生きています。その2つを混同することはありません。

精神分析のD.W.ウィニコットは、物理世界と想像的世界とを一緒に生き遊ぶとき、子どもはもっともイキイキする(living)といいます。このとき子どもは、ライフ・ギバー(life giver、いのちの贈与者)に触れています。あなたは、ネヴィル・シミントンが提唱した「ライフ・ギバー」にご関心がありますか?

(注:人が物理的、現実的世界を排除して、空想世界にだけ入ると、心は自己中心的、自己愛障害的なっていきます。悪化すると、暴力的、精神病的、自閉的になっていきかねません)

9)禅仏教の言葉に「遊戯三昧(ゆげざんまい)」があります。三昧は梵語「サマーディ」の音写で、何かに集中して我を忘れた境地を意味します。禅もウィニコットも、自分を忘れて一心不乱に遊び戯れたときに、人は最もイキイキすると考えます。今回、こうした遊戯療法(プレイセラピー)の姿勢を取り入れて、講座を進めていきます。

10)この連続講座では、集中型、アウェアネス型、中間型のマインドフル瞑想、およびインナー・ワークやジャーナル・ワークについてご紹介します。またムーアやヒルマンの魂のケア・ワークも試みます。

11)加えて、ミルトン・エリクソンの催眠療法における変性意識、またアクセプタンス・&コミットメント療法(ACT)や、解決志向セラピーが活用する変性意識状態にも注目します。盛りだくさんです!

12)講座のもう1つの柱は、アート・ワーク、アートセラピーです。これは瞑想によって触発されるクリエイティビティを、形にしていくためのものです。アートを、美しさ、上手さ、完成度などを競うものとしてではなく、あくまであなたの内的なプロセスに添ったものを、できるだけ忠実に、生き生きと表現するための仕掛けとしてとらえます。遊戯三昧の心を持って進めていきたいと思います。

11)最近、トランスパーソナル&統合心理学のケン・ウイルバーや、認知行動療法のジョン・カバットジンによるマインドフル瞑想に関する本格的な書籍が相次いで訳されています。プロセス・ワークやジャーナル・ワーク、さらに魂のケアのテキストと合わせて活用し、遊び戯れていきたいと考えます。

この講座はライフスタイル、ワークスタイル、関係スタイルを見直し、磨いていく上でお勧めです。さまざまな対人援助の仕事にもプラスです。あなたのご参加・ご購入をお待ちしています!

* * * * *

日時■ 2020年11月27日(金)〜全10回 毎月第4金曜日 19:00~20:50

会場■ 初回はzoomオンライン会議にて開催いたします。第2回以降、状況に合わせ、zoomオンライン会議および東京都内会場の並行開催へと随時移行していく予定です。

費用■ メールマガジンにてご案内しております。

講師■ 富士見ユキオ・岸原千雅子