変容を促す深層セラピー

あなたは、年齢を重ねても、自分が何をやりたいのかわからなくて、困っていませんか?

生活にまとまりがなく、心が整理できずに苦しんでいませんか?

どこか、何かが、行き詰まっているのに、行き詰まりが打破できず、途方に暮れていませんか?

内面に暴力や荒々しさを抱えているのを心のどこかで知っていながら、どうしていいかわからず、1人で悶々としていませんか?

心にバラバラ感があって、不安、恐怖、怯えに、苛まれていませんか?

アルコール、ギャンブル、ゲーム、買い物などの依存が止まらず、衝動的な自分に、半ば自暴自棄になっていませんか?

何度も同じような共依存と失恋を繰り返している自分に、心底嫌気を感じていませんか?

他人が羨ましく、羨ましいその人やその人のいるグループから自分が置き去りにされている感じがして、焦っていませんか?

もしそんな悩みが1つでもあれは、「変容」を促す深層セラピーがお勧めです。

変容とは

私たちが提供するセラピーの中核には、変容(transformation)があります。

“transformation(トランスフォーメーション)”は、語源的には、“trans(変換)” + “form(形)” + “ation(すること)” = 形を変換すること、で「変換、変形、変容」と訳されます。

たとえば、青虫が蛹(さなぎ)となって蝶になる。この質的変化の過程を「トランジション(変容的移行)」といいます。それは、数や量の増減といった量的、水平的変化ではありません。質的変化です。

質的変化を促すトランジションは、想定外の変化です。

あなたは子どものとき、青虫が成長すると、さなぎや蝶になることを知っていましたか?

私(富士見)は小学生のころ、青虫は、青虫のまま成長して大人になるものと考えていました。蝶になるなど、まったく想定していませんでした。青虫の体が大きくなるのは、水平的変化です。一方で、青虫がさなぎに、さなぎが蝶になるのは、質的変化です。

真の成長や成熟は、変形を促すものです。

矢吹丈を変えた丹下段平

あなたは、マンガの『明日のジョー』をご存知ですか?

「ケンカ屋」や「死神」というあだ名で呼ばれていた主人公の矢吹丈(やぶきじょう)は、もともと不良のチンピラでした。人を騙したり、暴力団と一戦交えるなどする、手のつけられないゴロツキでした。

が、丹下段平にボクシングの才能を見い出されます。

丹下の体を張った粘り強い働きかけ ~説得、泣き落とし、鼓舞、叱責、人情、愛~ によって、ジョーは、どこにでもいる凡庸(ぼんよう)な不良から、良質なボクサーへ変容していったのです。

「本当に成功したかったら『良いコーチ』を見つけなさい」という言葉を、あなたは聞いたことがありますか?

丹下段平のような良質なコーチは、手のつけられないゴロツキを、ボクサーになるための「さなぎ」に収容します。さなぎは、一種の「収容所」です。収容所は、英語で “container(コンテイナー)” です。それは「容器」と訳されることが一般的ですが、「封印」や「収容所」という意味もあります。

人がさなぎに収容されるためには、コーチのマネージメント(manegement)能力が試されます。“manegement” は、もともと「手綱(たずな)さばき」を意味しました。丹下は、矢吹丈という野蛮な暴れ馬の手綱を、見事にさばいていったのです。

収容所がなければ、ジョーの手つかずの生々しい暴力や野生は、ボクサーとして開花しなかったでしょう。彼は、チンピラ、ゴロツキのまま、老い、朽ちていったことでしょう。

変容に欠かせないもの

人間は、自分で自分を収容所に封印することはできません。

そんな苦しいことを、自分に課すことはできない。丹下のような名コーチの支援が必要です。

同じような例は、ヘレン・ケラーとサリバン先生との関係にも見られます。暴力やかんしゃくの絶えなかったヘレン・ケラーは、サリバン先生の体を張った、また真心のこもったコーチング(手綱さばき)によって、可能性を開花させました。

2つのケースから見えてくるのは、①さなぎと、②そこに収容すべく努めてくれるコーチの存在です。

一方、現在のメンタル・コーチは、荒々しさ、暴力、野蛮さ、野生の「収容」方法を、まったくトレーニングされていません。収容所、さなぎ、コンテイナーの必要性を理解していません。

カウンセラーやセラピストの多くも同じです。

なぜでしょうか?

精神病水準との取り組み

荒々しさ、暴力、野蛮さ、野生は、専門的には「精神病水準」に属します。コーチ、カウンセラー、セラピストがこれらの扱い方を知らず、トレーニングされていないのは、そのことを理解していないからです。

精神病水準のプロセスは「共生」状態であり「未分化」状態です。たとえていうと、味噌も糞も一緒の「混沌(カオス)」状態で、エネルギーが渦巻いています。この未分化なカオス状態を『分化』させることが、精神病水準と取り組む専門家の大事な作業です。

「精神病水準」について学びたい方は、こちらのセミナーを参考にしてください。

【この下にも「変容を促す深層セラピー」の記事が続きます】

カオス状態を分化させる

先ほど述べたように、精神病水準と取り組むためには、未分化なカオス状態を『分化』させることが必要です。

分化があってこそ、さなぎができます。

さなぎができてこそ、蝶への変容過程が進みます。

分化とは、未分化状態に埋もれている「ある可能性」と「別の可能性」とを切り離すことです。別の可能性を「切り捨て、殺すこと」です。エネルギー渦巻く混沌の中から、ある可能性『だけ』を収容し、封印することです。

青虫が蝶へ、ゴロツキが良質なボクサーへ、と変容するためには、分化が不可欠でした。

もちろん、可能性を殺される側には、「苦痛」「不愉快」「怒り」が伴います。それでも、変容には、ジャック・ラカンのいう「心理的去勢力」あるいは「父の力」による分化が必要です。伝統的精神分析でいえば「健康な超自我力」が欠かせません。

去勢が無ければ、ジョーはボクサーになるためのさなぎには入らず(=何の可能性も殺されることなく)、チンピラのまま暴力団に入ったかもしれません。それは暴力団に入ることを「選択」したわけではなく、心理的「惰性」と「怠惰」の結果、といえるでしょう。

それに抗(あらが)うのが、「意図的」選択です。丹下段平やサリバン先生は、ジョーやヘレン・ケラーに代わって、意図的選択を行いました。

変形を促すために。
愛をもって。

それには、他の可能性の「心理的殺人(切り捨て)」が必要です。

さなぎ=棺桶+子宮

さなぎは、象徴人類学の言う「棺桶(かんおけ)」であり「子宮」です。

もし、青虫が人生に拘束感を覚えて苦しんでいたとしても、青虫のまま「真の」自由と解放を経験することはできません。残念なことに、青虫は自分の死(自己否定)を受け入れ、さなぎに成ることに身をゆだねる必要があります。さなぎは、青虫が「死ぬ」棺(ひつぎ)になります。

さなぎは、同時に、蝶が「生まれる」子宮です。棺は「拘束」ですが、子宮という拘束があってこそ、蝶になって空を舞う「自由」と「解放」を得ることができます。

さなぎを提供できないコーチ、カウンセラー、セラピストは、クライエントのトランジション(変容的移行)過程を支援できません。そして、さなぎの提供には、精神病水準との取り組み、去勢力、心理的殺人力が欠かせません。

あなたの学んできたカウンセリング、セラピー、コーチングは、優しく、受容的、母性的だったのではないでしょうか?

それらは、去勢する父性、超自我、心理的殺人など、想定していなかったのではないでしょうか?

が、それでは、精神病水準の激しい暴力、荒々しさ、野蛮さの変容と昇華、自由と解放をサポートできないでしょう。

精神病水準、パーソナリティ障害、(複雑性)トラウマ、依存症、共依存の良質なケースを熟読すると、そこには必ず、さなぎ(コンテイナー)が介在しています。さなぎがなければ、精神病的暴力、荒々しさ、野蛮さ、野生はそのままです。チンピラ、ゴロツキ、かんしゃくに、変容は生じません。

それらには、優しさ、受容、母性だけでは、太刀打ちできません。

現代人の心理的苦悩、症状、訴えには、内的暴力、野蛮さ、野生といった「精神病水準」的プロセスが、『部分的には』必ず関係しています。これを誰よりも早く見抜いて警告したのは、C.G.ユングでした。

さなぎ創りのすすめ

各種の依存症、共依存、暴力、(複雑性)トラウマで辛い思いをしたり、躓(つまづ)いている人は、精神病水準の有無について疑ってみてください。精神病水準には、丹下段平やサリバン先生のような良質なコーチが不可欠です。良質なコーチは、棺と子宮とから成る「さなぎ」を創り提供します。

私たちは、さなぎを通じた変容過程(トランジション)を支援する「深層セラピー」を提供しています。

あなたが、いままで受けたカウンセリング、セラピー、コーチングで、「変容」を経験していなかったなら、「さなぎ」について、振り返ってください。

あなたの受けたカウンセリング、セラピー、コーチングは、「さなぎ」を提供していたでしょうか?

さなぎがなければ、カウンセリング、セラピー、コーチング、ワークの中身が「良く」ても、変容は起きません。良い体験は変容に結実せず、テーマパーク的良い体験にしかなりません。

私たちは、カウンセリング、セラピー、コーチング、ワークの中身はもちろん、それ以上に中身を「収容」し「封印」する『さなぎ創り』に、配慮しています。あなたが、変容、成長、成熟、癒し、回復にご関心があるなら、私たちのセラピーやコーチングを是非ご活用ください。