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1)「病態水準」の基本から最先端を、ていねいに、わかりやすくお伝えする集中セミナーです。あなたは自信をもってカウンセリングをしているカウンセラーと、そうでないカウンセラーの違いは何だと思いますか?
何が、プロ・カウンセラーと、アマチュア・カウンセラーを分けると思いますか?
2)病態水準を理解しているか、いないか、が、プロと アマを分ける上で、とても重要な指標となることを、ご存知ですか?
病態水準について学び、しっかりと身につけると、カウンセラーとしてのあなたの可能性や実力を、自信や安心感をもって発揮できるようになります。
3)あなたは、病態水準と聞くと、何を考えますか? どんなことを感じますか? 何をイメージしますか?
4)たとえば、病態水準、という考え方や言葉を聞いたこともないし、まったく知らない。
理解したいのだけれども、難しそうだから、学ぶのを先送りしている、いまさら病態水準を知らない、と恥ずかしくて言えない。
しかし、病態水準について身につけていないことが、心のどこか、あるいは心の端(はし)の方で心配や不安 を生じさせ、プロとしての真の自信を持てなくさせている、カウンセリングをしていて、これでいいのだろうか、クライエントのプロセスは間違った方に行っていないだろうか、悪くなっていないだろうか、と心配し、および腰で、カウンセリングに深くコミットできない、ということはないでしょうか?
5)それは、かつての私たちの姿でした。
私たちは、病態水準のセミナーをはじめて約20年になります。が、それまで、病態水準についてよく理解しておらず、プロ・カウンセラーとして、いま一つ自信がないまま、クライエントの話に傾聴したり、プロセスに従うことに必死でした。
しかし、何かが足りない、と常々思っていました。
足りなかった もの。それが、病態水準です。病態水準について身に着けていないため、重篤なクライエントについては、よくわからないまま、医療関係者に任せる、といったことがありました。
プロとしてもっともよくないことは、丸投げです。病態水準をしっかりと身につけると、あなたは、丸投げすることがなくなり、他分野の専門家(医師、ナース、ケースワーカー、保健師、弁護士など)と、プロとして協働することができるようになります。クライエントの人に、より貢献できるようになります。
6)病態水準を知らない、よく理解していないのは、あなたのせいではありません。なぜなら、日本の心理学の大学、大学院、研究所などで、病態水準を、基本 から現場で使えるところまで、きっちりと教えているとことは、ほぼ皆無だからです。カウンセリングの実践に、これほど大切なコンセプトはないにもかかわらず。
あなたはカウンセリングやセラピーについては、これまで学んできたはずです。
でも、病態水準はわからない。
場合によっては、「病態水準を学ぶことは、カウンセリングの邪魔になる」「カウンセリングは医学モデルとは違うから、病態水準など学ぶ必要はない」「病態水準は、クライエントの人にラベリング・レッテル貼りをすることになるので、そんな勉強はやめなさい」などと言われて、病態水準について学ぶこと自体を去勢されてきた人もいるかもしれません。
7)しかし、カウ ンセリングやセラピーの臨床現場では、まちがいなく、病態水準に関する実践的見立てが、求められます。「私は健康な人しかカウンセリングしないので、病態水準について知る必要はない」と考えるカウンセラーがいるとしましょう。が、どうすれば、クライエントが健康か、そうでないかを見立て・見分けるのでしょうか?
勘で、見分けるのでしょうか?
無手勝流で、ともかくやってみるのでしょうか?
パーソナリティ障害の人や依存症、共依存、双極性障害Ⅱ型などの人の中には、表面上健康だったり、いい子、いい人に見えながら、カウンセリングを始めたら、病的なものが表に出てきて、状態が悪くなった、という人が少なくなくありません。
健康な人しか、カウンセリング、コーチングをしないという人にも、病態水準を、ぜひ、学んでいただきたい。それが、あなたと、クライエントの人の、ウイン-ウインに、つながるからです。
8)このセミナーで学ぶ病態水準は、大別して、
(A)精神病水準、
(B)自己愛性パーソナリティ障害水準、
(C)境界性パーソナリティ障害水準、
(D) 神経症水準 の4種類です。
さらに今回、自己愛性パーソナリティ障害を、(a)顕示型と(b)隠れ型に分けて、より細やかに理解します。自己愛性パーソナリティ障害は、河合隼雄氏がかつて述べた「母なるものの病理」と密接に関係しています。今も蔓延し、河合氏の指摘した多くの日本人が苦しむこの「母なるものの病理」には、背景に自己愛性パーソナリティ障害のテーマが潜みます。
それを、(a)顕示型と(b)隠れ型に分けて理解することは、多くのクライエントの苦しみに寄り添う上で、大変有益です。さらに、この2つに加えて、(c)自己愛構造体についても臨床に役立つ形で学んでいきましょう。
9)病態水準を身につけることの最大の利点は 、クライエントの人に、より適切なカウンセリングを提供できることです。たとえば、精神病水準の人に向けたカウンセリングと、神経症水準の人に向けたカウンセリングは、まったく異なります。
善意からとはいえ、精神病水準の人に、神経症水準の人に対するのと同じような、従来の傾聴をするならば、侵入的になったり、暴力的になったりして、状態が悪化する、という場合が、ままあります。傾聴のような、(一見)非侵入的、と思われる態度や技法であっても、侵入的になり得るのですから、注意が必要です。私たちは、病態水準によって、カウンセリングやセラピーのやり方を、しっかりと、変えなければなりません。
10)今回は、病態水準理解の基本に加えて、セラピスト-クライエント関係の中で、病態水準をていねいにとらえ直すことを、行っていきます。以下のような、関係性に関する考え方をベースに、病態水準を、さらに多角的に見直します。
(A)あるセラピストとあるクライエントで作られるその2人特有の間主観性。
(B)精神分析の転移・逆転移。
(C)家族療法の円環的因果論をセラピスト-クライエント関係に応用すること。
病態水準を、固定化した絶対的なものとしてではなく、関係における相対的なものとして、また生きたものとして活用する方法を、お伝えします。
12)さらに今回は、病態水準を、個人だけでなく、家族、学校、組織に応用することも試みます。あなたが関係する家族、学校、組織の病態水準は何か、考えましょう。その先駆者の1人は、W.ビオンです。
13)また、クライエント個人の病態水準と、そのクライエントが属する文脈(たとえば、家族、学校、組織)の病態を、考えます。ある個人(たとえば家族の中のIP)と、家族全体の病態水準、が違うことは、とてもよくあります。そのときにどう対応すればいいのか。具体的に学んでいきましょう。
14)次に、クライエントの心の中に、より病的な部分と、より健康な部分があると仮定する、精神分析、特にクライン派の新潮流を参照します。私たちは、より病的な部分がどの病態水準にあり、より健康な部分がどの病態にあるのかを、ていねいに、また詳細に見ていきます。
この点は、私たちのオリジナルですので、ぜひ、参考にしてください。病的な部分と、健康な部分の切り分け方も、お伝えします。
15)私たちが病態水準の重要性に開眼したきっかけのひとつが、今から31年前の1986年、トランスパーソナル心理学のケン・ウィルバーたちが発表した著作、”Transformation of Consciousness”(未訳)でした。ウィルバーらはこの本で、トランスパーソナル心理学の病態水準論と、その治療論を明確に打ち出しました。
そして、精神病水準に対しては、投薬や入院が必要不可欠であり、重いパーソナリティ障害水準には、しっかりとした治療構造とマネージメントが欠かせない、など、病態水準を切り分ける、正統派の考え方をまっすぐに紹介し、推奨しています。
16)トランスパーソナル心理学は、あなたの自我を、健康で、身の丈にあった無理のないものに育成するものです。もちろん、自我を超えた地平を射程に入れていますが。
私たちは、魂やスピリチュアリティに配慮しながらも、良質な自我(作り)をないがしろにしないトランスパーソナル心理学を、大切に思い、参照しています。このセミナーは、トランスパーソナル心理学やオルタナティブなセラピーや癒しに興味関心がある人にも有益です。
病態水準と健康次元について、基本から実践法までを、2日間かけて、ていねいに、じっくりと学びます。病態水準と健康次元にご関心にあるあなたのご参加を、お待ちしています。初心者の方、一般の方のご参加も、大歓迎です。
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日時■ 2017年4月29日(土祝)& 30日(日)10:00~17:00
会場■ 東京都内(お申込みいただいた方に詳細をお伝えします)
費用■ メールマガジンにてご案内しております。
講師■ 富士見ユキオ・岸原千雅子