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外的コンテキストとマネジメント ~あなたのカウンセリングを現場で活かす リレーション力、コミュニケーション力、リノベーション力~|2018/03/21(日)

◎ 配布資料+音声データをご購入いただけます

1)カウンセリング、心理療法、コーチングをコツコツまじめに、誠実に学んでいれば、それらを、現場で実際に役立てることができるようになるのでしょうか?

かつて、私たちはそう思っていました。

が、それほど単純ではありませんでした。

カウンセリング、心理療法、コーチングによる心理学的見方に加えて、社会学的視座が必要だったのです。社会学的視点がなければ、あなたは、あなたがしっかりと身に着けたカウンセリング、心理療法、コーチングを、現場で十分に活かすことはできないでしょう。

今回お伝えする外的・社会的コンテキスト(文脈)は、社会学や文化人類学の典型的な視座です。それは、実用的で、現場でとても役立つ知恵といえます。外的・社会的コンテキストと、そのマネージメントについて、基本から最先端までをお伝えするのが、このセミナーの目的です。

2)IPP(プロフェッショナル・サイコセラピー研究所)は、あなたがトレーニングを積んだカウンセリング、心理療法、コーチングなどと、実際の現場との「架け橋」作りを、主要な目的・仕事の1つとしています。

たくさんの人が、心理学系、コーチング系のセミナーやワークショップ、勉強会に参加され、学ばれていますが、その学びを、実際に活かしきれていない、という人が少なくないのではないでしょうか? その点 ~ジレンマやフラストレーション~ を解消し、成果につなげる具体策を、このセミナーで身に着けませんか?

3)あなたは、外的・社会的コンテキスト(文脈)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

あまり、なじみがないかもしれません。が、カウンセリング、心理療法、コーチングを実践で活かす鍵は、外的・社会的コンテキストにあります。

4)外的・社会的コンテキストは、(心理学でなく)社会学的視座に基づきます。心理学と社会学とでは、ものの見方・考え方が正反対だ、という点について少し述べます。

心理学(サイコロジー、psychology)~特に深層心理学~ は、「心」、「サイコ」、「psycho=魂」を、アプリオリにあるものとして、物事をとらえます。その考え方をもとに、「サイキック・リアリティ(心的現実)」といった言葉ができました。心理学は、外的コンテキストを度外視して、あるいは社会の影響とは関係のない次元を想定し、そこに社会や歴史、成育歴に影響を受けていない純粋な心や魂がある、と考えます。

5)一方、社会学は、今置かれた・今ある現場の文脈から、物事をとらえます。社会学は、心や心の内容といったものにではなく、その外側にある「枠組み」に着目します。枠組みこそが、心や心の内容を作る、と考えるのです。枠組みなしに、純粋な心や魂といったものはない、無垢な心や魂といったものを前提とするなどナンセンスだ、と理解します。

6)わかりやすくするために極論すると、心理学は、心や魂(の中身・内容)の絶対主義、一方、社会学は、社会的枠組み(=コンテキスト・文脈)の絶対主義です。

7)今回のセミナーのテーマは、外的・社会的コンテキストです。カウンセリング、心理療法、コーチングを活かすには、心と、外的・社会的コンテキストの両方に、等しく着目することが大切です。しかし、心理学のトレーニングには、外的・社会的コンテキスト理解の教育がない場合がほとんど、といった現状があります。

8)外的・社会的コンテキストとは、カウンセリングやコーチングを実践する現場のことです。学校なのか、小さなクリニックなのか、入院施設のある大きな病院なのか、企業なのか、児童相談所なのか、開業なのか、といった、あなたの働く現場を指します。

9)働く現場に潜在する「枠組み」、すなわち外的・社会的コンテキストを無視して、カウンセリング、心理療法、コーチングを活かすことはできません。なぜなら、外的・社会的コンテキストを無視することは、現場に背く、敵対する、現場を軽んじる、無視するといったことになりかねないからです。なぜそうなってしまうかについては、セミナーで詳しくお伝えします。

10)このセミナーは、あなたが置かれた現場で、あなたが学んだカウンセリング、心理療法、コーチングを十分に生かすためのものです。そのためには、あなたが働く既存の外的・社会的コンテキストをよく読めるようになること、深く理解できるようになること、そして、リスペクト(尊重)できるようになることです。

すると、あなたは現場があなたに期待していること・求めていることを適切に理解し、その中で、あなたの技を適切に発揮できるようになります。これは、単に、その現場に「適応する」という発想とは異なります。リスペクト(尊重する)ということと、「適応する」というのは、大きく異なる姿勢です。

何が違うのか。

そのひとつの要が、今回のセミナーのもうひとつのテーマである、「マネージメント」という視点、概念、そして実践です。それをこのセミナーで理解できるようになると、あなたと、現場は、Win-Winの関係になるでしょう。

11)さて、ここで質問です。

あなたが児童相談所で、カウンセリグの基本とされる傾聴に徹した援助を試みたならば、どうなるでしょうか? どのようなことが生じるでしょう?

カウンセリングの場は、早晩、収拾のつかないものになるでしょう。

なぜだと思いますか?

理由の一つは、児童相談所という外的・社会的コンテキストでは、徹底した傾聴(だけで)は、機能しないからです。あなたは、カウンセリングのトレーニングで学んだことに加えて、あなたが働く現場(=外的・社会的コンテキスト)に、傾聴のみ、といった姿勢が適切かどうか、よく検討する必要があります。傾聴に加えて、適切な介入、関係諸機関や多職種との連携などが不可欠です(詳しくは、セミナーでご説明します)。

12)もう1つ、例を挙げます。

あなたが、産業現場の心理士だとします。そのあなたが、長年かけて学んだ夢分析を、ある社員に向けて行ったしたら、どんなことが起きるでしょう?

その社員(クライエント)によくないだけでなく、あなたは、産業カウンセラーとしての職を失いかねません。なぜかは、セミナーで、基本からお伝えします。

13)退職を言い渡されたあなたは、「この企業は、人の心の深みを理解しない、浅はかな会社だ」などと、嘆くかもしれません。そのときあなたは、自分が陥っている心理学ドグマ、夢分析絶対主義には、意識が向きません。

夢分析を行ったあなたには、善意からそうしたのでしょう。それは、あなたが悪いからではありません。心理学やコーチングに、外的・社会的コンテキストを持ち込む必要性を、学んでいなかったためではないでしょうか?

14)でも大丈夫です。外的・社会的コンテキストついて、基本からお伝えします。

15)外的コンテキストを活かす上で、次に重要な点は、外的コンテキスト内にいる各プレーヤーを適切に見極め、そのプレーヤーたちと、チームを組むことです。

ではどのようにして?

そうした実務的な観点、および実践法についても今回、外的コンテキストとマネージメントという観点から、具体的にお伝えし、皆様と考えていく予定です。

このセミナーでは、プロ・カウンセラー、セラピスト、コーチ、ファシリテーターなどの対人援助職の方、また、そうした領域でのプロをめざす方のご参加を心からお待ちしています。

初心者の方、一般の方のご参加も、心から歓迎いたします。

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日時■ 2018年3月21日(日)10:00~17:00

会場■ 東京都内(お申込みいただいた方に詳細をお伝えします)

費用■ メールマガジンにてご案内しております。

講師■ 富士見ユキオ・岸原千雅子