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夫婦療法、家族療法の新しいアプローチ|2017/05/28(日)

◎ 配布資料+音声データをご購入いただけます

1)「この世界を理解することはできませんが、抱きしめることはできます。世界に存在する誰かを抱きしめることによって」——— マルチン・ブーバー(人間関係とスピリチュアリティについて考え続けた哲学者、ユダヤ教の宗教学者、神秘主義者。もっとも有名な本に、『汝と我』<岩波文庫>があります)

「それ以上分割不可能な最小の単位は、1人ではなく、2人です。2つで1組の魂が絡み合うところから、社会が生まれ、コミュニティが生まれ、個人が生まれ、人生が生まれ、演劇、アート、クリエイティビティが生まれます」——— トニー・クシュナー(アメリカで有名な脚本家)

「魂の原型は、男と女、男と男、女と女。いずれにしても、2人で1つの本来の魂となります」——— プラトン(哲学者)

「赤ちゃんという存在はいません。赤ちゃんと母親による1つの単位<ユニット>があるだけです」——— ドナルド・ウイニコット(日本で最も人気のあるイギリスの精神分析家)

2)カップル・夫婦関係は、2人3脚やダンスにたとえられます。

それは、1+1ではありません。1+1以上にもなれば、それ以下にもなります。

2人3脚あるいはダンスを、”We”としてとらえ、それを、それ以上分割不可能な最小単位と、とれること、それが、今回、私たちがお伝えするカップル・夫婦カウンセリング、コーチングのベースです。”We”を、「私たち」としてだけでなく、さらに、『私』としてとらえ、慈しめること、大切にできること、それが、私たちが推奨する夫婦・カップルセラピー、コーチングの基本です。

3)想像してください。「足の運び方のリズムが悪い」、と、2人3脚の相手にもう一方の側が、非難しているところを。その結果、2人3脚は、上手くいくでしょうか? 片方が、もう片方を、「ドンくさい」と思っていて、2人で、いいダンスが踊れるでしょうか?

いいえ、無理です。

2人3脚も、ダンスも、どちらもうまくいかず、早晩、つまづき、転ぶことになるでしょう。「もういやだ」、「あなたとはやれない」、「お前とはやれない」となり、お互いの真ん中の足を縛った紐をほどき、別れる、といった結末になりかねません。

4)そうならない、足の引っ張り合いにならないためにはどうすればいいでしょうか?

セミナーで、あなたと考えます。

2人3脚は、上手くいくと、それだけで楽しくて満たされる競技、遊びです。ダンスも、同じ。このセミナーは、カップルや夫婦を、2人3脚やダンスと考える視座、そのとき2人で意図して協力・協働し、創りあげる”We”を、「私たち」としてだけでなく、『私』ととらえるマインドをベースに、カップル・セラピーや夫婦コーチングについて、学びます。

5)あなたは、いまニーズがとても高まっているにもかかわらず、プロの専門家の最も少ない心理カウンセリングやコーチングの領域を、ご存知ですか?

夫婦療法、夫婦コーチング、カップル・カウンセリング、カップル・コーチングです。この分野には、心理やコーチングでない領域からの参入が、後を絶ちません。たとえば、離婚、結婚、婚活などをテーマとした新規参入が、激増しています。今後、夫婦やカップルを応援するカウンセリングやコーチングは、プチ・バブルになると予想します。

なぜなら、人口動態的に、最も人口の多い団塊世代や、バブルを経験した世代が、離婚、再婚、(再婚あるいは初婚の)婚活などについて、また、中高年の危機を迎えた夫婦関係や定年後の夫婦関係や介護について、さらには、相続や事業承継について、見つめ直す機会・熟考しなければならない場面が、現実的に、さし迫っているからです。

6)深層心理学の新しい流れに、カップルや夫婦といった関係をベースに、自己実現、自己活性化、個性化のプロセスを考えようとするグループがあります。たとえば、ユング派の精神科医、アラン・チネン著『大人のための心理童話』が、参考になります。関係を考慮に入れた視座は、従来のお1人様・個人を中心とした自己実現や個性化のプロセスにも、大変有益です。

7)カップル・夫婦療法は、個人療法(1人心理学)とは相いれず、家族療法から、恩恵を得ています。理由は、個人療法の”I(私)”の次元と、家族やカップルの”We(私たち)”の次元が、<質>的に異なるからです。そのため、個人療法のやり方を、”We”次元が妥当なカップルや夫婦に活用しようとしても、機能しません。マイナスになる場合もあります。

このセミナーでは、カップルや夫婦を、”We”として見ると言うが、そもそも”We”は、どういうことか?

“We”次元とはなにか?

カップルや夫婦の中に、”We”をみつけるには、どうすればいいのか?

見出した”We”を育むには、何が必要か、などを具体的に学びます。また、”We(私たち)”を「私事(わたくしごと)」、つまり”I”として、受け止める視点についても、お伝えします。(注:この点については、特に詳細にお伝えします)

8)あなたは、アメリカで、プロセラピストの正式資格として、最も多いのが、”Marriage & Family Therapist, MFT”(結婚と家族のセラピスト)であることを、ご存知でしょうか?

MFTの人たちの中に、個人療法を、カップル・夫婦療法に役立てる試みと、努力を地道に積み重ねてきたグループがあります。それが、関係療法のグループです。関係療法は、個人のクライエントを対象としますが、従来の個人療法(お1人様心理学)と違い、クライエントとセラピストの関係を、”We”として見ていこうという視座を携えています。

9)このセミナーでは、家族療法の見地から生まれた”We”と、関係療法的な”We”とを総合し、夫婦療法、カップル・カウンセリング、コーチングを学びます。他では学ぶことのできない、オリジナリティ富んだ、またホリスティックな視点からの、夫婦・カップル療法、夫婦・カップル コーチングについて、お伝えします。

また、個人療法と家族療法をつなぐものとして、両者の架け橋として、また、両方を活かすものとして、夫婦療法、カップル療法を見ていきます。

10)夫婦療法、カップル・カウンセリングの領域には、他の専門分野からの新規参入が増えています。

が、それらが、問題解決のためのノウハウ・ハウツーといったハードスキル中心のものであるとすれば、カップルや夫婦のための心理療法やカウンセリング、コーチングは、ソフトスキルを提供するものです。ソフトスキルは、問題解決だけでなく、そのためのプロセスの応援、問題の根本にあるカップル力や夫婦力の育成およびエンパワーを、地道に手間ひまをかけて行うものです。

私たちは、専門家がいなくても、自分たちだけでやっていくとができる夫婦力やカップル力を、サポートさせていただきたいと考えています。

11)”We”の創造は、簡単ではありません。

が、それができると、夫婦の間、カップルの間、”I”と”I”の間で、好循環が生まれます。2人関係が、ウイン&ウイン、ハッピー&ハッピー、ギブ&ギブになっていきます。2人3脚、ダンスでつまずき、転んでも、何度でもはげまし合い、助け合い、支え合うことができるようになります。関係が、サステイナブル(持続可能)になります。

12)すると今度は、夫婦、カップル関係を深化させるために、関係の深層の次元、脚本家のトニー・クシュナーや哲学者のプラトンが述べた関係の魂の次元である”Not-We”を、良質な形で、取り扱うことができるよになります。深層の次元・魂の次元への扉は、”Not-We”です。(注:”Not-We”と、魂の次元との関係について、セミナーで、詳しくお話します)

13)このセミナーは、夫婦・カップルという新分野で、あなたの専門家としての力を身に着けるために、あなたの夫婦関係力、カップル力を増すために、あなたのいままでの、現在の関係性を振り返り、将来の豊かな関係を創造するために役立てていただくものです。

今回のセミナーは、夫婦、カップルをサポートするための(A)”We”(B)”I”(C)”Not-We”の視座を学び、それを、自分(たち)で活かすことを目指します。家族療法の”We”と、関係療法の”We”を、それぞれの最前線の知見・成果から、取り入れます。

カップル療法・コーチング、夫婦療法・コーチングにご関心にあるあなたのご参加を、お待ちしています。初心者の方、一般の方のご参加も、大歓迎です。

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日時■ 2017年5月28日(日)10:00~17:00

会場■ 東京都内(お申込みいただいた方に詳細をお伝えします)

費用■ メールマガジンにてご案内しております。

講師■ 富士見ユキオ・岸原千雅子