ファイナンシャル・カウンセリング / コーチングとの違い

私たちは、ファイナンシャル・セラピーの他にも、ファイナンシャル・カウンセリングやファイナンシャル・コーチングを提供しています。では、それらの違いは何でしょうか?

ファイナンシャル・セラピーの第一人者ブラッドリー・クロンツ博士の考えを参照し、述べたいと思います。

まず、ファイナンシャル・セラピーは、医学モデルの上に成り立っています。医学モデルは、精神障害の診断と対処法を含みます。ファイナンシャル・プランニングやファイナンシャル・コーチングが「未来」志向であるのに対し、ファイナンシャル・セラピーは、「過去」志向です。

ファイナンシャル・カウンセリングは、借金やクレジット(信用情報)にフォーカスし、ファイナンスについての安定性を確保するために、個人や家族のマイナス状況やネガティブな行動がプラスに変化するように支援します。

ファイナンシャル・コーチングは、問題解決志向で、クライエントの行動の最適化を図るものです。そのために、ファイナンシャル・プランナーの用いる助言モデルを、たびたび活用します。

なお、ファイナンシャル・プランニングについては こちらのコラム でも説明していますが、未来志向で、ファイナンス(お金)に関する個人および家族の目標が叶うように、投資商品やサービスを活用します。ファイナンシャル・プランナーは、保険、税金、不動産、退職、投資計画などについて、専門的情報や知識を有していなければなりません。

以上の説明は、クロンツ博士の見解によるものです。これらの考え方は、アメリカでは適切ですが、日本では不適切だと私たちは考えます。

なぜなら、セラピストが「医師ではない」ため、法的に医学モデルを採用できないからです。とはいえ、セラピストが、精神科医の使用するDSM(精神障害の診断と統計マニュアル)を参照することは不可欠です。なぜなら、ファイナンス問題の背景に、発達障害、精神病、パーソナリティ障害、神経症といった各病態水準、解離やトラウマのような難題の潜んでいることがままあるからです。

医学モデルは「治療(cure)」を目指すものですが、日本のファイナンシャル・セラピストは、治療を行いません。そうではなく、臨床心理学的な「治癒(heal)」を支援し、ファイナンスの問題と取り組んでいます。

日本では、ファイナンシャル・コーチングは、少しずつ始まっています。その一方で、ファイナンシャル・カウンセリングやファイナンシャル・セラピーの実践は、ほぼ皆無です。理由は、ファイナンシャル・カウンセリング、特にファイナンシャル・セラピーを行うには、臨床心理士や公認心理師になるための長期的で専門的なトレーニングが、不可欠で難儀だからです。また、日本の臨床心理士や公認心理師の中で、ファイナンスやその背景の「心(のありよう)」や「認知」に関心を持つ人が、大変少ないからです。

私たちは、ファイナンシャル・セラピー、ファイナンシャル・コーチング、ファイナンシャル・カウンセリングの各サービスを提供させていただいています。

以上の見解を参考に、あなたに合ったファイナンスの対人サービスをご活用ください。