ファイナンシャル・プランニングとの違い

ファイナンシャル・プランナー(FP)は、あなたの話をよく聞き、あなたにたとえばポートフォリオを提案するでしょう。ポートフォリオとは、金融資産の一覧表、あるいは安全性と収益性のための有利な投資の組み合わせを言います。あなたに具体的な投資商品を勧めるFPもいるかもしれません。

それに対して、ファイナンシャル・セラピスト(FT)は、具体的投資商品を推奨することはありません。そうではなく、投資やファイナンス(お金)の『背景』にある、あなたの「考え」「思い / 想い」「気持ち」にフォーカスします。

「考え、思い / 想い、気持ち」は、不安、心配、焦り、怖さ、期待、幻滅、興奮、喜び、いらだち、怒り、自信のなさ・・・といったものです。FTは、お金や投資の背後に潜む「喜怒哀楽」に向き合って、あなたのファイナンスにまつわる行動およびマインド、認知、考えを見える化し、整理することで、あなたを支援します。

お金に対して、どうしていいかわからず、やみくもに勉強したり、拙速に行動を起こしたり、相手を選ばず相談したりして、失敗や痛い目を経験する人は、少なくありません。

なぜでしょうか?

行動の深奥に宿る考え、思い / 想い、気持ちを、自分自身で確かめることは、大変難しいからです。場合によっては、その行動にはその人自身の考えなど「無く」て、ファイナスや経済について学んだ情報を鵜呑みにしていたり、知り合いの言葉に煽(あお)られて脊髄反射している(だけな)のかもしれません。お金の本に書いてあることや評論家の意見を、熟考することなしに、真に受けているのかもしれません。

FTは、あなたに考える「機会」を提供します。ファイナンシャル・セラピーとは、「あなた」の考え、思い / 想い、気持ちを尊ぶ場所です。そのためには、あなたの「主体性」が尊重されなければなりません。あなたの「尊厳」「実存」あるいは「あなたらしさ」が大切にされることが必要です。

ファイナンシャル・セラピーでは、ファイナスや投資について、あなたが主体性を発揮するのを応援します。あなたがなぜ、主体性やあなたらしさを表現できないのかをじっくりと見ていきます。あなたが自分の頭で考えられなくなっている点、あなたのハート(心)で感じられなくなっている点に着目し、課題をあぶり出し、その課題と真摯(しんし)に取り組みます。

こうした試みを通じて、あなたは、ファイナンス、経済、投資について、今よりもっと主体的、能動的になることでしょう。結果として、FPからの提案を上手に活用できるのではないでしょうか。