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1)今回のセミナーでは、「夜見る夢」への神秘主義的アプローチを扱います。「夜見る夢」は、神秘主義的な、不思議な力を秘めています。夢を取り扱うことは、心理臨床の営みにおける”秘儀”と言えるもので、今回のセミナーでぜひ皆さまに、このアプローチを体験的に学んでいただきたいと思います。それは、中高年期の内面や関係性、生活や人生を刷新し、豊かにすることでしょう。
2)夢との取り組みは、ユングの個性化や、マズローの自己実現の過程を後押しします。また、幼少期や青年期の心の傷つきからの回復、癒しにも有益です。とくに、中年期から人生最晩年における、死との取り組みの「指針」にもなります。地に足をつけて生きる「現実感覚」が増します。
3)フロイトの精神分析やユングの分析心理学といった深層心理学は、そもそも「夢分析」をベースに発展してきました。”ユングの孫娘”と呼ばれることのあるプロセスワークも、「夢ワーク」をとても大事にしています。こうしたユング心理学の流れだけでなく、フロイトの精神分析の新しい潮流でも、夢分析は深化を遂げています。近年、W.ビオン、T.オグデン、A.フェロといった対象関係論の新たな担い手たちは、「ドリーミング(夢を見ること)」というところから、新たな夢との取り組みを試みています。
4)セミナーでは、夢分析やドリームワークの基礎、発展、最新の発見について、お伝えします。そのうえで、夢への神秘主義的アプローチを学びます。久しぶりの『体験』中心のセミナーです。遊び心を持って、夢に没入し、サマーディ(三昧)の精神をもって、夢ワークや夢分析を行うことを試みます。
5)フランス・ソルボンヌ大学の哲学科教授で神秘主義者A.コルバンによると、世界には、この世である「現象界」だけでなく、「想像界」や「叡智界」がある、と言われます。神秘主義者はこのうち、「想像界」と「叡智界」に関心を示します。想像界や叡智界とは、どのようなものでしょうか。想像界は「魂」の領域です。それに対し、叡智界は「スピリチュアリティ」の領域です。魂の領域である「想像界」は、この世界(現象界)と、スピリチュアリティの領域である叡智界の「中間」にあります。夢は、この中間にある「想像界」を、源泉とします。
6)今回、夢と取り組むにあたって、想像界、すなわち魂の領域にフォーカスします。想像界を包含する(contain)叡智界にも、着目します。
7)想像界とは、井筒俊彦氏によると、「神話的、深層意識的、元型的イメージが産出される領域」です。創造性(クリエイティビティ)、アート、音楽、ダンスやパフォーマンスにあふれた世界です。私たちは夜見る夢を、昼の現実(現象界)の反映物と考えがちです。が、夢はそれだけに限りません。想像界 / 魂の世界の反映でもあります。
8)魂がそのまま、全面的に顕れる夢は、「ビッグ・ドリーム(big dream、大きな夢)」と呼ばれます。が、魂は、ビッグ・ドリームだけに顕現するのではありません。どの夢にも、『部分的』に、魂が表現されています。今回、夢に潜在する魂の見抜き方を、学びます。
9)魂の顕れとしての夢(の部分)には、密度の凝集された臨場感、切迫感、リアリティがあります。そこには、日常的現実よりも、分厚さや深さを持った現実が、開示されます。夢に、魂のプロセスを見抜くことができると、夢が息吹をし始め、「自(おの)ず」と動き始めます。その体験は、あなたに、驚き、不思議さ、神秘、神聖(ヌミノース)な体験を、もたらすでしょう。
10)夢に、想像界の反映、魂のプロセスを見るには、どうすればいいでしょうか?神秘主義者によると、それには外的世界(現象界)を、まず遮断 / 閉鎖することが必要です。次に、内面に向かいます。このとき、「内的」五感を開くようにします。内的五感とは「内なる眼 、耳 、 手 、 口 、鼻」からなる「超」感覚器官のことを指します。
11)神秘主義者でない私たちには、とても難しそうです。が、プロセスワークの「内的」チャンネルを参照すると、具体的方法が見えてきます。そのやり方を、あなたにわかりやすくお伝えします。「内的チャンネル」とは、内なる視覚、聴覚、身体感覚、動作、関係性、世界チャンネルです。
12)あなたは、内的チャンネルについて聞いたことがありますか?それは、五感を超えた「想像(imagination)」「霊感(inspiration)」「直観/直感(intuition)」、禅仏教の「直覚」体験を、可能にします。C.G.ユング、W.ビオン、A.ミンデルは、直観を、心理療法における最も大切なもの、と考えました。セミナーでは、内的チャネルを糸口とすることが、私たちをイマジネーション、インスピレーション、直観 / 直感、直覚へまっすぐに誘うことについて、お伝えします。あなたが想像、霊感、直観、直覚をダイレクトに経験する支援をします。
13)内的イマジネーションは、想像界における魂のプロセスを把握する媒体 / 器官です。T.ムーアは、それを「魂の世話(care of the soul)」という概念で紹介しています。これについても、セミナーでは参照します。
14)一方、叡智界は、内的霊感、直観 / 直感、直覚の世界です。これについては、ユングの「白紙(タブララーサ)」、ビオンの「O(オー)になること」や「ネガティブ・ケイパビリティ」、E.ジェンドリンの「直観」などが参考になります。これらも紹介しながら、ご一緒に考えていきます。
15)あなたはこうした叡智界のインスピレーション、直観 、直覚が、想像界のイマジネーションや夢を、「下支え(contain)」するのを体験するでしょう。それこそが、想像界 / 魂界の夢のプロセスに、力、柔軟さ、栄養、豊饒をもたらします。
16)セミナー参加にあたって、次のものをご用意ください。
- ノート
- ペン
- 画用紙(大きさは自由)
- クレヨン、色鉛筆あるいは絵の具などの画材
- 子どものときに見た夢(または記憶)で、印象に残っているものを1つ
- 成人になってから見た夢(または記憶)で、印象に残っているものを1つ
- 身体症状や身体の病気を1つ
18)さて、夢との取り組みで、とても簡単でありながら、深く大きな変容をもたらすやり方に、夢の脚本やナラティブの「語り直し」があります。語り直しによって、夢が《命》を取り戻します。ただ、”どう(how)”また”何を(what)”語り直すかが、問題です。セミナーで、わかりやすくお伝えします。不思議な力を秘めた方法です。想像、霊感、直観、直覚を駆使して、のびのび、いきいきした夢ワークを行います。楽しみにしてください。
18)夢の神秘主義的アプローチが、
- セラピーやコーチングに有益であること
- 内面や関係性の充足や豊かさに結実すること
- トラウマの回復や癒しに寄与すること
- 身体症状や身体の病に対するオルタナティブなまなざしを提供すること
- 死との取り組みの指針になること
- 現実感覚を増すこと、
を学びます。ご自身の人生を見つめ直したい方はもちろん、セラピーやカウンセリング、コーチング、コンサルティングで、夢を活用したいと考えている人にも、お勧めの中身です。
20)今回、「夜見る「夢」への参入~夢の神秘主義的アプローチ」にご関心のあるセラピスト、カウンセラー、コーチ、教師、グリーフ・ケアワーカー、ファミリービジネスの専門家、コンサルタント、福祉や医療関係者のご参加を、お待ちしています。このテーマにご関心のある一般の方、初心者の方のご参加も大歓迎です!
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日時■ 2025年6月29日(日)10:00~17:00
会場■ zoomオンライン会議(お申し込みいただいた方に詳細をお伝えします)
費用■ メールマガジンにてご案内しております。
講師■ 富士見ユキオ・岸原千雅子