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そのままの私じゃダメですか?~完全主義からの癒し、解放、回復~|2025/11/30(日)

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◎ 配布資料+音声データをご購入いただけます

1) セラピーで、最も多い課題の1つに、「完全主義(perfectionism)」があります。

悩みや症状、人間関係のトラブル、家族における暴力や依存症、ビジネス上の失敗の背後に、「完全主義」の潜んでいることは、よく見受けられます。「完全主義」に心が乗っ取られ、振り回されて苦悩される人、カップル、ファミリー、ビジネスは、少なくありません。

2) 完全主義は、さまざまな弊害をもたらします。たとえば、次のようなことです。

  • 小さな失敗や不完全さを、必要以上に過大視し、自己嫌悪や恥を強く感じる
  • 他者からの評価に過敏で、賞賛を失うことや、恥をかくことを極度に恐れ、疲れてしまう
  • 自然体でいられない
  • 物事の実行に時間がかかり、先延ばしや回避を生じやすい

3)「 完全主義」は、『現実』で叶える術も、満たす方法もありません。なぜならそれは、「机上の空論」「絵に描いた餅」「砂漠の蜃気楼」だからです。

たとえば、日米のプロ野球で、10割の打率、すなわちすべての打球をヒットにすることができた、”完璧”な選手はいません。プロの世界で超一流と言われる打者でさえ、3割台の打率しか残せません。どんなに優れた野球選手でも10回中、7回は打ち損なうのです。

またアタッチメント理論によると、質の良い母親は「完璧な母親 perfect mother」ではなく、「ほどよい母親 good enough mother」で、”30″%程度の良質な愛着を子どもに提供できる人です。

「完全な母親」~そのような人は現実にはいませんが~ は、子どもの育成にとって、『害』となります。

なぜでしょう?

完全主義の害や苦悩について、ご一緒に学びましょう。一般の方はもちろん、セラピスト、カウンセラー、コーチ、ケースワーカー、医療関係者、教員など、対人援助の専門家にお勧めの内容です。

4) 完全主義は、一見すると、いいように映ります。気高い理想を揚げ、それに向かって突き進む。漫画、アニメ、小説、映画の世界では、それを煽(あお)る傾向もあります。

完全主義は立派に見えますが、深層心理学によると、幼稚です。強く硬そうで重厚そうですが、もろく薄っぺらです。完全性、完璧さに憧れるのは、成長を遂げていない未熟な心です。

5) 完全主義は、私たちの心の「内側」にあります。それは心の「外」~たとえば「行動」~ では、痩せた理想の身体を追い求める”摂食障害”や、部屋を完璧な状態にしておかないと気のすまない”強迫性障害”、強さや勝利や有能さを装う”躁的防衛”などとして現れます。

6) 完全主義はまた、内側に暴力を孕(はら)みます。それは自分や他者を、恫喝、脅迫し、洗脳します。思い通りになるように、コントロールするためです。

「はぁ90点?。なんで100点取れないんだ。バカな学校しか行けないぞ」と怒鳴る父親。

「こんな曲もうまく弾けないの。もうやめちゃいなさい!」とヒステリックに叫びながら、子どもの大事な楽器を床に叩きつける母親。

「なんだこんな結果か。最高の契約になっていないじゃないか。来期の君の人事を楽しみにしているんだな」、と嫌味をいうパワハラ上司。

7) C.G.ユングは、完全主義を「妄想」ととらえ、そこから生まれる病理に「パラノイア(偏執狂)「強迫神経症」「潔癖症」などがあると述べました。

対象関係論によると、完全主義は未熟な心の態勢である「妄想-分裂」ポジションに由来します。妄想-分裂ポジションで成長が停止している心は、心の内外の出来事を、ゼロか100(=パーフェクト/完璧)か、闇か光か、白か黒かの”単純”な二元論で見ます。

というより、「ゼロか100か」以外の見方をする能力が、心に”ありません”。

「グレー(灰色)がある」といった見解、
「白もあるけど黒もある」といった全体を見渡たす眼力、
「ほどよい(good enough)」という柔軟心がありません。

8) 全体的眼力や柔軟心がないので、ゼロ、闇、黒の方でなく、100(=完璧)、光、白の方に、行こうと躍起になります。さもなければ、ゼロ、闇、黒の方へ堕ちることになり、自分は敗者、劣等な人間、無価値な負け犬になると、”本気”で信じ恐れているからです。このポジションにいる人は、心が完全主義に乗っ取られ、洗脳され、その下僕になっています。

下僕であることに、気づいていませんが。

9) 完全な白、光、パーフェクトのみを希求する心を、ユングは”一面的”、”病理的”と、また対象関係論は、”部分的”と、とらえました。

ユング心理学は、完全ではなく、光と闇とからなる「全体性(whole)」を、対象関係論は、部分~たとえば白”だけ”~でなく白部分と黒部分とからなる「全体」を志向します。

10) ユングの全体性は大文字の”SELF(自己)”からなり、それを彼は「スピリチュアリティ」と考え、また全体性へと向かう過程を「個性化」あるいは「自己実現」と捉えました。

一方、対象関係論は、白と黒とを肯定できる”全体的自我”を、「成熟自我(mature ego)」と理解します。

トランスパーソナル発達心理学者M.ウォッシュバーンによると、全体性からなるユングのスピリチュアリティは、対象関係論の全体的自我があってこそ、”サステイナブル(持続可能)”となります。

11) セミナーでは、「一面的で部分的でしかない完全主義」と、「両面的で全体的である成熟自我、およびユング的スピリチュアリティ」についても取り組みます。成熟自我とユング的スピリチュアリティは、完全主義からの癒しや回復に必要だからです。

12) 他者志向の完全主義に、「隠れ自己愛(closet narcissism)」があります。それは相手に、完璧な理想の達成を「強要」します。相手を巻き込むタイプの完全主義です。

夫は妻に完璧にカワイイお姫様を望み、妻は夫にカッコイイ白馬に乗った王子様を求める。

親は子どもに自分の夢が叶わなかった理想の成就と劣等感の克服を、子どもは親にスーパーヒーローやヒロインを強要します。

相手が自分の理想を叶えるように、「外」から巧妙に圧力をかけ、操作します。それがうまくいかなと、勝手に傷つき怒ります。相手を徹底的に攻撃し、追い込みます。見下し、バカにし、人格否定し、「見捨てる」と脅します。

13) 完全主義は、成長、成熟が停止した心の状態です。理想と現実とを切り分けることのできない未熟なマインドです。失望や幻滅に耐えられない幼稚な心の防衛です。孤立した独りよがりの硬直した自己愛です。

14) その癒しと回復に必要なのは、何でしょうか?

セミナーで基本からじっくりと考えましょう。癒しと回復の「鍵」を、わかりやすくお伝えします。 

15) 完全主義が癒えると、私たちの心は動き、躍動し始めます。みずみずしさ、いのちの息吹、クリエイティビティを取り戻します。「現実」の中で、”真の自分”を表現、実現でき始めます。

16) また、次のようなメリットが生じます。

  • 自己嫌悪が消失します。
  • 自己に対して過度に高い基準を設定することがなくなります。
  • 自分軸ができ、他者の評価に振り回されなくなります。
  • 自分のペースと自分の好みを尊重するライフスタイルが身につきます。
  • すべきことを先延ばしせず、プロアクティブ(積極的)になります。
  • 時間を上手に使いこなせます。
  • 小さな失敗や不完全さを過大視することがなくなります。
  • 挑戦を楽しみ、失敗を糧にできます。
  • 自分を責める声が静まり、心が軽やかになります。
  • 自己受容が進みます。
  • 情緒に深み、厚み、豊かさが生まれます。
  • 他人にやさしく、寛容になります。

17) 心理学者のP.ヒューイットとG.フレットは、完全主義を次の3つに分けました。

(a)自分に過酷な「自己志向的完全主義」
(b)他者に完璧を求める「他者志向的完全主義」(=「隠れ自己愛的完全主義」)
(c)社会から完璧を強要されていると感じる「社会規定的完全主義」

これらについても、見ていきましょう。

18) セミナーの目的は、あなたが完全主義の罠から解放され、自由とあなたらしさを取り戻すのを支援することです。またあなたの親密な関係、家族、友人、同僚との関係が、より柔軟で豊かでリラックスしたものになるように、サポートすることです。

完全であろうとすることをやめると、私たちは「真の自分」と出会えます。

19) セミナーでは、完全主義との具体的取り組みについて、基本からお伝えします。

今回、「そのままの私じゃダメですか?~完全主義からの癒し、解放、回復~」にご関心のあるセラピスト、カウンセラー、コーチ、教師、グリーフ・ケアワーカー、コンサルタント、ファミリービジネスの専門家、福祉や医療関係者のご参加をお待ちしています。一般の方、初心者の方のご参加も大歓迎です!

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日時■ 2025年11月30日(日)10:00~17:00

会場■ zoomオンライン会議(お申し込みいただいた方に詳細をお伝えします)

費用■ メールマガジンにてご案内しております。

講師■ 富士見ユキオ・岸原千雅子