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1)今回は「調律の技芸(the Art of Attunement)」をテーマとします。
“Art(アート)” は、「技術」であり「芸術」、つまり「技芸」です。“Attunement”(アテューンメント)は、「調律」「調音」「調整」「調和」「チューニング」です。
セミナーでは、セラピーにおける「調律/チューニングの技芸」を学びます。
2)なぜ、アテューンメントの技芸を、身につけるといいのでしょう?
それは、調律してもらった人の脳の神経システムが、安心安全を感じ、脳、身体、心が健康さを回復するためです。楽しさ、豊かさ、幸福感がもたらされるからです。
パーソナリティの成長、変容が促されるためです。発達性/複雑性トラウマ、解離、各種依存症、共依存、パーソナリティ障害には、調律が欠落しています。これらの癒しや回復、パーソナリティの成長や変容のカギとなる調律技芸について、身につけていただきたい。
3)調律/チューニングの技芸をイメージするために、あなたの身体と、クライエントの身体を、楽器のギターだと仮定してみましょう。あなたの身体は、クライエントのギターに共鳴して、いつの間にか、音楽を奏でています。精神分析のS. フロイトは、セラピストとクライエントは、水面下で無意識理に、共鳴、共振、共調しあっている、と述べました。
共鳴され、共振しあうことを経験するクライエントは、共感、理解、支援を心の深みから感知します。しかしそれには、水面下での、共鳴、共振、共調を、セラピストは意識化する必要があります。
4)水面下で起きている共鳴、共振、共調に聴き入る方法として、フロイトは、「どこにも集中することのない、すべてのできごとに差別なく平等に漂う注意」をすすめました。
身体セラピー的には、身体の深みに降りて行き、身体を感度の良い楽器に変成し、意図せず演奏していた自身の音楽に、気づきを向けることです。クライエントとの関係の水面下で、どのような音楽が奏でられているのか、「身体全体」で聴き入ることです。それを「ディープ・リスニング(深い傾聴)」といいます。
5)調律とは、
(a)水面下まで下りて行って、
(b)自分のギターがどんな音楽を奏でていたのかに気づくこと、
(c)それは、クライエントの演奏するどの音に共鳴した音楽なのかを意識化すること、
(d)そのうえで、クライエントの出す音楽に、能動的/積極的にチューニングすること、
です。
6)さらに、「クライエントが水面下でセラピストをどう感じているか」を、「セラピスト自身が感じること」も調律ですが、これは、正確には「関係調律」です。セラピストとクライエントとが、お互いに関係調律を行いあうことは、「相互調律」です。
7)相互調律が成し遂げられたとき、クライエントの心身の状態は、成長、成熟し、健康、豊かさ、喜びを獲得しています。なぜなら相互調律の達成は、クライエントが洗練された調律や主体性を身につけたことの証(あかし)であるからです。
(注:相互調律は、同調圧力に対する過剰適応とは異なります。セミナーで、ご説明します)
8)相互調律は、親密な関係、家族関係や職場での人間関係を、良好なものにします。それは、関係性を安心安全で、豊かで風通しのよい、活き活きとしたものにします。ですので、セラピスト、カウンセラー、コーチはもちろん、コンサルタント、教育関係者、また家族関係や職場関係を向上させたい人に、相互調律について知ってほしい。
セミナーでは、調律、関係調律、相互調律を学び、身につけることを目指します。そのための事例やエクササイズをご用意しています。
9)技芸を身につけるために、まずは、自分自身への調律から始めるといいでしょう。
あなたが自分の身体の深みに入ると、それまで気づかなかったあなたの身体の言い分、情動、情緒、感情、内的世界や内的宇宙の奏でる旋律や調べが、聴こえてくるでしょう。身体の深みには、あなたの家族の歴史、先祖の声、集合的無意識が潜んでいて、時にあなたはそれらに、調律することの必要性を感じ取るかもしれません。
10)セラピーにおいて、もっとも有名な調律は、D. スターンの「情動調律」です。これは、養育者と赤ちゃんとの情動レベルでのやり取りの基本で、人間性の基盤となるものです。
赤ちゃんが泣きやまないときに、赤ちゃんの情動に養育者が適切に調律すると、赤ちゃんは泣きやみ、微笑み、周囲への好奇心を示し、遊び始めたりします。これは、赤ちゃんの右脳と養育者の右脳とを通じた安心安全で情動の豊かな共鳴、共振です。そこには優しさが息づき、安心安全で活力に満ちた空気や波動が漂います。
11)右脳(の成長や成熟)には、情動、情緒、身体、スピリチュアリティへの調律が、一方、左脳(の成長や成熟)には、知性への調律が、求められます。情動、情緒、身体、スピリチュアリティおよび知性への調律を、ご一緒に学びましょう。
12)相互調律がうまくいかないとき、あるいは相互調律がないとき、人間関係、家族関係、また職場関係は、どうなるでしょう?
関係におけるやり取りが途絶え、コミュニケーションが硬直します。関係の分断された人たちは、それぞれが、従来の否定的な心の枠組み、トラウマや解離の伴う関係パターンから、相手を見始めます。関係はかみ合うことがなくなり、敵対的関係が生まれます。親密な関係の中で、あるいは職場の人間関係で、トラウマや解離からなる敵対的関係に苦しむ人は、少なくありません。
13)社会的に成功しているのに、あるいは仕事において適応し、よく機能しているのに、何か、なぜか、自己効力感や達成感、自己肯定感を感じられず、いつも生きづらさを抱えている。自分と親との関係に問題はなく、目に見えるような暴力や暴言をふるわれたことはない。
にもかかわらず、何か自信がなく、不全感、空虚感、焦燥感がある。
そうした訴えが、よくあります。
14)なぜでしょうか?
パーソナリティや心の土台を形成するうえで最も重要な時期 ~2歳以前、言語/認知記憶が生じる以前の期間~ に、養育者からの調律不全や不足が繰り返された可能性があります。この時期の調律や応答性の不全や欠落が、生きづらさや言葉にならない空虚感、焦燥感に関連している。
そうしたことが、発達性トラウマ臨床、右脳研究、調整理論、アタッチメント理論から、明らかになってきました。
言葉にならない生きにくさ、不全感、未達成感で苦悩する人の支援に、調律、関係的調律、間主観的調律、自分への調律は、大変有益です。
15)調律は、セラピスト、カウンセラー、コーチはもちろん、教育者、コンサルタントにとって、重要で不可欠な技芸です。健康で豊かな、自分の身体や内的宇宙との関係、親密な人との関係、家族関係、職場での関係作りに、調律は力を発揮します。
癒し、成長、変容を促すクライエントとの信頼関係、スピリチュアルなウィン‐ウィン関係を築くうえで有益な調律について、あなたとご一緒に取り組みたいと思います。
16)あなたは身体の深みに降りて行って、身体を楽器に変性する(トランスパーソナルな)技法に興味がありますか? もし “Yes” であれば、その技法を、ご一緒に学びませんか?
17)調律は、私たちの生活に安心安全からなる基盤、楽しさ、喜び、創造性、好奇心を生む土壌を生み、耕します。
今回「アート・オブ・アテューンメント(調律の技芸)~関係性を豊かにする相互調律を学ぶ~」にご関心のあるセラピスト、カウンセラー、コーチ、ケースワーカー、医師、看護師、保健師、ボディワーカー、コンサルタント、ファミリービジネスの専門家の方、そして一般の方、初心者の方のご参加をお待ちしています。