カウンセリング、セラピー、コーチングは、援助者と依頼者とで行うものです。そこには、必ず「関係」ができます。この「関係自体」を、セラピーの〈対象〉としてして取り上げるのが、「関係療法」です。
「関係」に着目しないのであれば、1人で行う瞑想や夢日記で、自分を見つめることができます。「関係療法」は、自分1人では見ることのできない「心の背中」を見るためのツールです。それは、セラピストが「クライエントの心の背中」を見ること、また、セラピストとクライエントとが協働して「2人の関係の背中」を見ること、を試みます。
「関係」は、クライエントとセラピストとから成ります。関係を〈対象〉とすることは、セラピストが〈対象の一部〉であることを意味します。だから、「関係療法」はプロにとっても複雑で難しい。
その「関係」を紐解くツールが、「転移」「逆転移」や「投影同一化」「エナクトメント」です。皆さんが今まで学んでこられたカウンセリング、セラピー、コーチングでは、あまり扱われなかったかもしれません。この4つについては、病態水準と共に、このコースで学びます。