(文責:岸原麻衣)
ファイナンシャル・セラピーって、具体的には何をするの?
よく聞かれる質問です。でも、私はいつも答えに窮してしまいます。なぜなら、ファイナンシャル・セラピーで辿る道って、一人ひとり驚くほど違っているからです。
生まれ育った環境、お金に対する考え方(=信念)、現在の収入や家族構成、生活水準、性格、何もかも違う人々が、それぞれの困りごとを抱えてやってくるのだから当然といえば当然です。
ただ、その一方で、ファイナンシャル・セラピーを受けたことのない人が、「中身が見えない」「FP相談との違いが分からない」「投資信託や保険を勧められたらどうしよう」と不安や不信感を抱くのも、もっともだと思います。
だから、今回は「ファイナンシャル・セラピーに興味はあるんだけど…」そんなあなたに向けて、この記事を書いてみようと思います。
今回は、初回セッションに限定してお伝えします。50分間のセッションがどんなふうに進むのか、ちらりと垣間見て、雰囲気を感じてもらえたら嬉しいです。
では、さっそく。
初回セッションの流れ
− チェックイン
まずは簡単な自己紹介をします。初めての相手と顔を合わせる瞬間って、緊張しますよね。私もそうです。本題に入る前のウォーミングアップで、今の気分や体調はどうかを確かめることもあります。
− 困りごとをたっぷり並べる
お互いに少し落ち着いたら、話しやすいところからスタートしてもらいます。困っているあれやこれやを、まずは一通り、テーブルの上に並べてみるような感じです。この時、困りごと同士の関連性や時系列は、めちゃくちゃでも大丈夫。後から一緒に整理していくので、まずは一つ一つを聴いていきます。
− 「今一番困っていること」を見つける
困っているあれやこれやが出揃ってきたら、その中でも「今一番困っていること」を3〜4個見つけます。たとえば、
- パートナーとの金銭感覚が合わない
- 貯蓄について親に詮索されて困っている
- 相続でとんでもない金額をもらってしまった
- 友達のSNSを見るたびに自分と比べて落ち込む
などなど。頭痛や腹痛、吐き気、うつ気分、眠れなさ、など、身体に現れる症状がピックアップされることもあります。
− 「一緒に取り組むこと」を決める
「今一番困っていること」を見つけたら、それらのどの部分から扱っていきたいかを一緒に確認していきます。
私はこのタイミングで、重要度と緊急度のマトリックスを思い浮かべながらお話しすることが多いです。「セッションでどんなことに取り組むか」をお互いに明確にしておくことで、今後、話が脇道に外れたり混乱したりした時に、この出発点に立ち返ることができるからです。
〈 重要度と緊急度のマトリックスとは 〉
タスクを遂行するための、考え方のフレームワークの一つです。コヴィー著『7つの習慣』では「時間管理のマトリックス」として説明されています。
人は計画を立てる時、緊急度の高いタスクに追われて、目先の優先順位を決めがちです。が、そうではなく、あなたの人生にとっての重要度を同時に見ていく必要があります。このマトリックスは、それを見極めるために役立ちます。
セッションの限られた時間を、クライエントにとって最もよい形で活用してもらうための工夫です。
拡散と収束が一巡りすると、実はもう、終わりの時間が近づいてきています。残り時間に余裕がある時には、「一緒に取り組むこと」についてさっそく話を深めていくこともあります。
− チェックアウト
今日のセッションの感想を聴いたり、クリアになった点 / ならなかった点を整理したりします。最後にもう一度、今の気分や体調を確かめることもあります。
おわりに
初回セッションがどんなふうに進むのか、少しイメージが湧いたでしょうか?
この流れはあくまでもモデルケースなので、実際には、やり取りしながら進めます。セッションの回数を重ねるごとに、あなたの個性に合わせてセッション内容をオーダーメイドしていきます。
ファイナンシャル・セラピーを受けてみたいと思ったら、初回セッションをお申し込みください。
また、ファイナンシャル・セラピーを学びたい、FP業務や心理臨床に取り入れたい、という方は、ぜひメールでお問い合わせください。IPP事務局よりご返信いたします。
ル・ヘルス(お金の健康さ)の回復、ファイナンシャル・リテラシー(お金に関する読み書き)の向上につながるからです。