◎ オンライン開催
◎ 配布資料+音声データをご購入いただけます
1)「幸福」や「健康」と訳される「ウェルビーイング(well being)」が、日本に紹介され、その大切さが少しずつ浸透していっています。今年最後のセミナーでは、そのウェルビーングの考え方を超え、より洗練させた「ウェル・インター・ビーイング(well inter-being)」をテーマとします。
2)80年間にわたるハーバード成人発達研究によると、幸福と健康をもたらす最重要要因は、”良質な関係性”です。”inter(インター)”は、「間(あいだ)」や「関係性」を意味します。ウェルビーングに”インター(関係、あいだ)”が入ることで、私たちは、ウェルビーイングの最重要要因に触れ、ウェルビーイングを内側から真に生き、楽しみ、謳歌できるようになります。今回良質な関係に〈基づいた〉健康や幸福と、「関係-健康-幸福」の〈好循環〉について取り組みます。ウェル・インター・ビーイングの育成、維持、贈与についても、ご一緒に考えます。
3)well beingの”well(ウェル) は「良く」「健康に」、”being(ビーイング)”は、「存在」「居ること」で、ウェルビーングの文字通りの意味は「良く在ること」「健康に居ること」です。健康で居るには、どうすればいいでしょうか?良く在るとは、どういうことでしょうか?その問いへの応答が、セミナーのメインテーマです。
4)ベトナム出身の禅僧ティク・ナット・ハンによると、私たちは、自分”独り”で成立できるbeing(存在)ではありません。自分”だけ”で、良く在ることはできない、といいます。なぜなら私たちは、”inter-being(インター・ビーイング)”だからです。インター・ビーイングは、「あいだの存在」や「関係的あり様」と訳されます。「粋(いき)の分析」で著名な哲学者の和辻哲郎氏は、私たちを「他者との関係性の中で成立する存在」ととらえ、「人間」を「間の人」あるいは「間人(かんじん)」と呼びました。
5)ティク・ナット・ハンや和辻を参照すると、私たちは”I am(「私は存在する」)”ではありません。” I inter-am(「私は関係的存在である」「私はあいだの中で他者と共に在る」)”です。あなたや私が、良く在るには、inter(あいだ、関係性)への眼差しやケア(世話)が、欠かせません。
6)” well(ウェル、良く、健康)”の反対語は、”ill(イル、悪く、病的に)”です。イル・インター・ビーイング(ill inter-being)は、関係性が搾取的、支配的、共依存的に変質した病的状態です。そこでは、交流や関係が、強制的、搾取的、暴力的、操作的です。共にいることが、支配や操作や同調圧力の温床となり、ブラックな偽りの連帯やコミュニティを生みます。そこで私たちは不幸になり、健康を害するでしょう。
7)ウェルビーングの鍵は、”inter(あいだ、関係)”の有無です。そして、interの「質」です。
8)「相互依存」と「共依存」の違いから、考えてみましょう。相互依存は、ウェル・インター・ビーイングです。それは、助け支え合い、贈り合う(give&give)ウィン-ウィン的関係です。一方、共依存は、イル・インター・ビーイングです。それは、奪い合い、搾取し合う、また足を引っ張り合うルーズ-ルーズ的関係です。セミナーでは、共依存と相互依存との質的違いについて、わかりやすくお伝えします。
9)サピエンス(人類 / 人間)は、40~60万年に及ぶ進化の過程で、集団的あるいは関係的に生きることを、生存戦略として選択しました。結果、私たちのDNAは、関係を志向します。ハーバード成人研究が、ウェルビーイングの核心を「良い関係性」と結論づけたのは、納得できます。
10)私たちは、40~60万年間かけて培われた、DNAに刻まれている関係志向的力に、抗うことは、できません。だから集団 / 関係性から省かれること、のけ者にされることは、大変恐ろしく、また辛い。なぜなら村八分や孤立は、関係志向のDNAからすると、生存を危うくしかねないからです。
11)しかし〈現代〉において、それは”錯覚”です。(多くの場合)私たちは「村八分を生む関係」に、留ま(り続け)る必要はないからです。そこから離れる自由があります。村八分によって、抹殺されることはありません。
12)注意すべきは、集団や関係に、well(健康的で良いもの)と、 ill(病的で悪質なもの)とのある点です。しかしティク・ナット・ハンのinter-beingや、それを生んだ大乗仏教の「縁起」の考え方には、その2つを『分ける』発想がありません。そのため、相互依存と共依存とが混同されかねません。
13)セラピー的には、その2つの質的差異に着目することが、”絶対”に不可欠です。セミナーでは、2つの見分け方について、基本から学びます。
14)課題は、どうすれば、健康な関係を育成し、維持できるか、です。どうしたら、病的で悪質な関係の外に出ることができるか、です。病的な関係を、健全な関係に「変容」させる”錬金術的な技”は、あるでしょうか?ウェル・インター・ビーイングは、身体の健康だけでなく、心の健康や幸福や豊かさ、また健全で幸福な仕事に好影響をもたらすでしょうか?セミナーでは、そうした問い全てに取り組みます。
15)ウェル・インター(健康で質の良い関係)の中で、私たちの心は水を得た魚のように活き活きとします。成長し、脱皮変容し、成熟することができます。
16)すると私たちは、ウェル・インター(良質で健康な関係性)の贈与 / 提供者に、なることもできるでしょう。関係の中で、仏教の「コンパッション」、E.フロムの「愛するということ」、E.エリクソンの「ジェネラティビティ(生殖性 / 事業承継性)」、M.モースの「純粋贈与」の実践が、可能になります。
17)セミナーでは、従来のウェルビーイングを「あいだ」や「関係性」から見直します。良質で健康な関係と悪質で病的な関係との見分け方を、具体的に学びます。さらに、関係性を”内的なもの”と、”外的なもの”に区分けし、インターをより洗練させていきます。あなたは良質で健康なカップルや夫婦関係、家族関係、友人関係、職場関係について、実感や手触り感を経験することでしょう。ファミリービジネスのような複雑で重層的なシステムにも、有益な視座となります。
18)セミナーは、ウェルビーイングを、インター(あいだ、関係性)から振り返り、健康や幸福や豊かさを、あなたやあなたのクライエントが真に生きるように、支援するためのものです。
19) 今回、「『良質な関係性』こそ幸福の鍵~well inter-being(ウェル・インター・ビーイング)のすすめ~」にご関心のあるセラピスト、カウンセラー、コーチ、教師、グリーフ・ケアワーカー、コンサルタント、ファミリービジネスの専門家、福祉や医療関係者のご参加を、お待ちしています。一般の方、初心者の方のご参加も大歓迎です!
* * * * *
日時■ 2025年12月28日(日)10:00~17:00
会場■ zoomオンライン会議(お申し込みいただいた方に詳細をお伝えします)
費用■ メールマガジンにてご案内しております。
講師■ 富士見ユキオ・岸原千雅子