セラピーとワークショップの違い

「セラピー」と「ワークショップ」の違いについて、よく質問されることがあります。その違いを知ると、あなたはセラピーとワークショップを有効用できるようになります。

セラピーとは

“therapy”(セラピー)の語源的意味は、“care”(ケア、世話、看護)や “attend”(アテンド、付き添い、面倒見)です。ギリシャの哲学者ソクラテスが、弟子にセラピーについて、質問されました。するとソクラテスは、セラピーは馬の世話と答えたのです。馬に食物、水を与え、馬小屋を清掃し、運動をさせる。そうした《日々》のケアがセラピーである、と述べました。

IPPのセラピーは、その中身もさることながら、相談に来られる人自身がケア(=世話、看護、付き添い、面倒見)の能力を身につけること、特に、クライエントの「日々、自分で自分をケアすることの習慣化」を目指しています。なぜなら、自分で自分の世話、看護、面倒見のできない人が少なくないためです。毎日、自分で自分をケアする習慣が身につくと、生活の質がよくなります。セラピーの中身/内容が、心に消化され、心の栄養となるためです。

精神分析では、一週間に5〜6日もセラピーを行います。それは、「毎日分析」と呼ばれることもあります。私たちIPPのセラピーは精神分析ではありませんが、精神分析のこの考え方は、セラピー(=ケア)について考えるうえで参考になると思います。

ワークショップとは

“workshop“(ワークショップ)は、“work”(学習、活動、仕事)+ “shop”(小屋、教室、店)で、今日では「体験的学習の場」と訳されます。それは、週末の2~3日の間に行われたり、10日間や2週間にわたって集中的に行われたりします。ワークショップは、毎日経験するものではなく、「単発的」に開催されたり、「間を置いて」行われるものです。それは、「体験の中身」が問われるものです。

あなたが真に成長・成熟、変容、癒し、回復を目指すなら、セラピーをお勧めします。劇的だったり、深かったりする「体験的中身の質」(だけ)を求めるなら、ワークショップがいいと思います。が、ワークショップは、セラピーの代わりになりませんので、注意が必要です。ワークショップとセラピーとの組み合わせは、あなたの成長・成熟、変容、癒し、回復を、より促すでしょう。