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1) あなたは心理セラピーが、「身体症状」を取り扱えることをご存じですか?
プロセスワークのA.ミンデルは、身体症状を「夜見た夢」から読み解き、心理セラピーの適応範囲を拡大しました。その取り組みは、「ドリームボディ・ワーク」と呼ばれます。
心理セラピストだけでなく、心身医学の専門医たちに活用されています。私たちもその恩恵を十分に受けてきました。
2) しかし、ドリームボディ・ワークが上手くいかないことがあります。身体症状に、「解離」が潜んでいる場合です。
「抑圧」の絡んだ身体症状には、ドリームボディ・ワークが有益です。一方「解離」が隠れていると、取り組みに行き詰まってしまうことが、少なくありません。
「抑圧」も「解離」も防衛機制です。しかしその2つには、『構造的』違いがあります。その違いを理解していなかったために、ドリームボディ・ワークが行き詰まってしまった。
3) このセミナーは、その課題を克服するためのものです。身体症状との心理的取り組みを、刷新することを目的とします。
解離の潜む身体症状をどう理解し、具体的にどうワークすればいいのかを、わかりやすくお伝えします。体験的エクササイズを行いながら進めますので、あなたは腹落ちしながら、新しい身体症状とのワークを学ぶことができるでしょう。
4) 解離の絡む心の悩みには、どのようなものがあるでしょうか?複雑性トラウマ、ACE(小児期逆境体験)、パーソナリティ障害、依存症、共依存などです。
では、解離の絡む身体症状、身体のトラブルとは、どういったものでしょうか?たとえば慢性疾患、自己免疫疾患、悪性腫瘍、アレルギー、あるいは糖尿病、難治性疾患などが該当すると考えられます。
こうした身体症状に見舞われると、私たちは最初、自身の身体に何が起きているのか、よくわかりません。未知の体験です。
よくわからない身体症状や病気を、深層心理学では『未加工 / 未分類のX』ととらえます。病院に行くと、何らかの病名をつけられます。その病名によって、よくわからなかった「X」が、医学的に分類 / 加工されるわけです。
5) しかし、その分類 / 加工が、身体症状や身体のトラブルに悩む当人の「主観的経験」からズレている場合も、少なくありません。
ズレを埋めるには、医学的分類に加えて、本人の経験にフィットする『主観的加工』が施されなければなりません。
6) 精神分析医のW.ビオンは、当人の主観にフィットする加工や分類の過程を、『ドリーミング(dreaming、夢見ること)』と呼びました。
ビオンからすると、身体症状は「いまだ夢見られて〈いない〉未加工のX」です。身体症状~たとえば慢性疾患や難治性疾患など~は、自分を「圧倒するX」「情動のかたまり」「エネルギーの集積」「生々しいX」で、主観的加工や分類がなされるまで、当人にとって腑に落ちない経験です。
生々しいXが『夢見られる(=加工される)』と、その身体症状から不可思議で、神秘的で、クリエイティブな動きが発露し始めます。それは、医療領域では着目されない想定外の動き / 働きです。ときに、そこから奇跡的癒しが起きることもあります。
7) A.ミンデルは、身体症状を「夢身体(dreambody)」や「夢見る身体(dreaming body)」と考えました。
一方ビオン的には、身体症状は「いまだに夢見られて〈いない〉身体」「夢になる〈以前〉の生の状態」「夢見る〈途上〉の身体」です。
あなたの身体症状は「夢見られた身体」でしょうか?あるいは「夢見られていない身体」でしょうか?
防衛の『構造的』違い、つまり身体症状に「抑圧」あるいは「解離」のどちらが絡んでいるか、という点から考えましょう。
8) 私たちは、さまざまなタイプの身体症状とのワークを、数多く経験してきました。が、八方ふさがりになることがありました。身体症状の中に、『解離』されたタイプのものがあることを、知らなかったからです。
身体症状~とくに慢性疾患、難治性疾患、症状のない疾患など~の多くには、『解離』された「いまだ夢みられていない未加工のX」が関係しています。
9) さて、未加工のX、情動のかたまり、エネルギーの集積とは、どういったものでしょうか?それは、言葉にならない体験です。
たとえていうと、赤ちゃんが、何が起きているのかわからず、烈火のごとく泣き叫ぶような、耐え難いXです。たとえそれが「空腹」状態であろうと、赤ちゃんは、自分では、なぜ激しく泣いているのかわかりません。
おむつが「不快」なのか、頭が痛いのか、自分ではわからず、ただ手足をばたつかせている。体験しているのは、言葉にすることも、分化することもできない、つかみどころのない不安や恐怖。特定することのできない何か。それが、未加工 / 未分類のXです。
私たちは、解離の潜む身体症状は、この未加工Xによって構成されている、と考えます。
10) 深層心理学によると、「〈心〉に置いておけない」未加工のXは、〈行動(act)〉を通じて、外側に排出されます。排出行為には、「行動化(act-out)」や「enactment(エナクトメント)」などがあります。
耐え難く、しかし自分が何を経験しているのかわからず、反射的に泣き叫び、激しくもだえる赤ちゃんの行動(act)。赤ちゃんには十分に心が育成されていないので、〈身体〉をばたつかせる〈行動〉によって、言葉で表現できない空腹や不安を、外側に排出せざるを得ない。
11) 2歳前後になると、私たちは少しずつ、未加工のXを加工することができるようになります。「ごはん」「おねむ」「うんち」、あるいは「アツい」「これイヤ」などと言葉で養育者に伝えることで、よくわからなかった未加工のX、情動のかたまりを、加工 / 分節化でき始めます。
耐え難かった苦痛を、幼いながらも〈自分の心〉で取り除いたり、収めたりする契機が、生まれます。それにはまず、言葉をもたない乳児に対する、養育者の側の言葉がけが先行します。
「おっぱいゴクゴク」「よく飲んだね~、おなかいっぱいね」「ああ、オムツきれいになったね」「気持ちいいねぇ」「う~ん、おねむだね。よしよし、よしよし」などと。
こうした養育者とのやりとりによって、そのたびごとに、生のXが加工され、『ぴったりの言葉』が与えられることで、Xは分節化され、赤ちゃんの〈心〉に収まるようになります。養育者との関係によって、Xが加工され、心に収まることを通じて、赤ちゃんの心も育成されていきます。
12) 身体症状に潜む未分化のXが加工され、加工されたものを収める心を育むためには、そうした養育者のような他者との「良質な関係性」が必要です。
セミナーでは、「未加工Xの加工」「関係性の質」「心の育成」について、体験的に取り組みます。
13) 今回は、複数のエクササイズをご用意しています。楽しみながらプレイフルに行っていきましょう。体験を通じた、新しい身体症状とのワークの習得を目的とします。
シリアスで扱うことが難しかった身体症状や、自覚症状のない疾患、慢性疾患や難治性疾患など、どのような身体症状とも取り組み可能なワークです。マインドフルにていねいに進めていきます。
あなたは身体症状に、深さと、壮大な力(エネルギー)がみなぎっているのを経験し、驚かれるでしょう。
14) ソマティック・ワークは基本的に、転移 / 逆転移、投影同一化、エナクトメントといった「関係テーマ」を扱いません。しかし、「解離」の関与する〈身体症状とのワーク〉には、関係性へのまなざしは必須です。ご一緒に見ていきましょう。
セミナーでは、次のようなテーマを扱います。
- 身体症状に、「解離」がどのように潜み絡んでいるか
- 身体症状に「抑圧」あるいは「解離」のどちらが関与しているのか、どうすればわかるか
- 解離と抑圧の「構造的」違いは何か
- なぜ解離タイプの身体症状との取り組みには、「関係性」が不可欠なのか
- 生のX、情動のかたまり、エネルギーの集積を、どう取り扱うといいのか
15) 参加にあたっては、以下をご用意ください。
- (a) ペンやクレヨンなどの筆記用具、画用紙やノートなど。
- (b) セミナーで取り組みたい身体症状や病を1つ選んでください。どのような身体症状でも疾患でもOKです。身体症状のない疾患(診断されたものの自覚症状がない、など)や、過去に患っていたものでもかまいません。
- (c) 人生で、自分にとって心に残っている夜見た夢、不可思議な出来事、想定外の体験、共時性体験などのいずれかを、1つご用意ください。
- (d) 心に残っている重要な人との記憶に残る出来事も思い出し、参加されるとより有意義です。
16) 今回のセミナーは次の方にお勧めです。
- 身体症状に苦しんでいる方
- 身体症状に苦しんでいる家族メンバーのいる方
- 解離の潜む身体症状とのワークのやり方を、具体的に知りたい方
- それが、どんなふうに、またなぜ有益かを、理解したい方
- 身体症状との深層心理学的アプローチを、対人援助に生かしたい方
- 解離タイプの身体症状が「なぜ」夢見る〈途上〉にある、といえるのかを理解したい方
- 解離タイプの身体を、どうすれば夢見ることができるのかを、知りたい方
- 身体症状に潜む神秘、不思議、自己治癒力に関心のある方
- 転移、逆転移、投影同一化、エナクトメントなどの「関係テーマ」を、ソマティック・アプローチに統合したい方
- ボディワーカーの方
- 身体症状に対する西洋医学とは異なるアプローチに、ご関心のある方
- いま実践している体験的セラピーのやり方を「深化」「洗練」させたい方
- 変性意識状態、非日常的プロセスとの安全な取り組み法を学びたい方
18) 今回「『夢を見ない』『夢見られていない』身体との取り組み~解離の潜む身体症状への体験的アプローチ~」にご関心のあるセラピスト、カウンセラー、コーチ、ボディワーカー、アドバイザー、ケースワーカー、コンサルタント、ファミリービジネスの専門家、福祉や教育、医療関係者のご参加を、お待ちしています。
一般の方、初心者の方のご参加も大歓迎です。
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日時■ 2026年5月31日(日)10:00~17:00
会場■ zoomオンライン会議(お申し込みいただいた方に詳細をお伝えします)
費用■ メールマガジンにてご案内しております。
講師■ 富士見ユキオ・岸原千雅子