弁護士向けサービス

目次

弁護士によくある相談内容

(1)パーソナリティの悩み

人にはさまざまなパーソナリティ(人格、性格)傾向があり、それに良い悪い、優劣はありません。しかし、「自分のパーソナリティは法務に向いていないのではないか」と悩む弁護士から相談を受けることがままあります。

たとえば、「内向型」の人です。しかし、企業弁護士として活躍している内向型の人はたくさんいますし、民事や刑事の分野で、自分らしく働いている人も多くいます。自分のパーソナリティ傾向について把握しておくことは、仕事を有利に進めるうえで、役立ちます。以下、弁護士に悩みの多いパーソナリティ傾向を幾つか書きます。

  • 「内向型」
  • HSP(過度に繊細なパーソナリティ)
  • スキゾイド
  • ASD(自閉症スペクトラム)
  • 躁うつ
  • Aタイプ
  • 過剰適応

これらのパーソナリティ傾向について、今後詳しく書く予定です。

無料メールマガジンでは、パーソナリティ傾向についても書いています。ご関心のある方は、ご登録ください。

(2)夫婦・家族関係の悩み

夫婦関係、家族関係についてのご相談は、よくあります。

理由の1つは、夫婦関係や家族関係が、「自然」に「有機的」に上手くいく、良くなる、と誤解されているためです。夫婦や家族関係には、自然な、また有機的な側面がある一方で、「コンシャス(counscious、意識的)」「人工的」に、夫婦で「共同経営」することが欠かせません。

夫そして妻が考える家族の「自然」は実は自然では〈なく〉、「妻はこうあるべき」「夫ならこうでしょう」「良い夫婦、家族はこんなふうなはず」といった〈従来の既定路線〉がなじみ、身に着き、あたかも自然であるかのように錯覚したものです。

民法から、イエ制度はなくなりましたが、いまでも慣習的、世間的、心理的に残っています。
イエ制度はタテ社会で、コミュニケーションは、上意下達です。

夫婦間の横のコミュニケーションは、現在でも異質です。横のコミュニケーションを筋トレのように人工的に行い、習慣化するようにしてください。21世紀にふさわしい、サステナブル(持続可能)なカップル・夫婦、家族関係、親子関係のために、試みてください。応援させていただきます。

夫婦や家族によくある悩みを書きます。

  • 夫婦間、親子間のミス・コミュニケーション、ディス・コミュニケーション(家庭内離婚、冷戦になっている夫婦や家族の状態)
  • アルコール依存とそれを裏から支えるパートナー(イネイブラー)との共依存関係
  • 不倫
  • 家でも弁護士、検察官、裁判官の「役割(role)」を抜けられないことによる夫婦や家族の不和

弁護士、検察官、裁判官は、あくまで「役柄」です。それは、裁判所を〈舞台〉にした「役割」です。家族に帰ったならば、裁判所の〈舞台〉から降りて、妻、夫、母親、父親といった別の役柄を演じなければなりません。〈舞台〉が異なるからです。〈舞台(コンテキスト)〉をわきまえない役割の混同が、夫婦や家族や子供に問題を引き起こすトリガーとなります。

特に、「世間の目」や「近所の噂」を過剰に気にする弁護士は、役柄(role)の混乱を引き起こします。それは、家族~パートナーや子供~や自分自身に過度のプレッシャーやストレスをかけかねません。それは、迫害感をもたらし、家庭を強迫的にします。

  • DV(ドメスティック・バイオレンス)

弁護士夫婦や家族だからDVは無い、というわけではありません。

弁護士の夫あるいは妻のDVについて相談できず、苦悩しているあなたからのご相談を、お待ちしています。
精神科医、弁護士、警察と連携し、あなたを支援します。守秘義務を厳守いたします。

夫婦が共に高度専門職のパワーカップルは、比較的容易に離婚の危機に陥る傾向にあります。夫婦のどちらも、自分1人で食べていける経済力のあるためです。弁護士同士、医師同士、弁護士と医師、弁護士と大学教員、弁護士と国家公務員などからなるパワーカップルの離婚相談は、少なくありません。

このタイプのカップルは、夫婦や家族関係に対する「共同経営」意識をしっかりと磨くことが大切です。横のコミュニケーションを筋トレのようにトレーニングし、習慣化することから、始めてください。

ジェンダーについて学ぶことも不可欠です。

「自己愛憤怒(narcissistic rage)」は、自己愛/自尊心/自負心が傷つけられた、と人が主観的に感じたときに生まれる憤怒でした。プライド、尊厳、誇りが傷つけられたときに生まれる感情です。パワーカップル ~たとえば、夫婦ともに弁護士のカップル~ では、自分の自己愛/自尊心/自負心を傷つけた相手との和解は、他のカップル以上に困難です。なぜなら、お互いに法律に詳しく、論が立ち、口が達者だからです。

パワーカップルが、法律に訴えたなら、離婚へ向かうのを避けがたい。
法律でない方法で、和解を模索してください。

自己愛憤怒は、自尊心、自負心、誇り、プライド、名誉、意地に関係しています。軽んじられた、なめられた、バカにされた、屈辱された、といった感情を伴います。ここで、留意していただきたい点が2つあります。

1つは、復讐/仕返しには、自己愛的、利己的、自己中心的快楽、興奮、高揚感が伴うこと。
2つは、相手との和解、赦しには、不名誉や屈辱感が伴う、と感じること。

相手との和解や赦しには、苦悩や痛みが伴います。が同時に、それを乗り越える過程で、あなたの精神は間違いなく成長、変化、成熟します。あなた自身の成長のため、特に子供がいる場合には、子供の利益やウェルビーイング(幸福と健康)のため、努力してください。私たちが、サポートさせていただきます。

従来の「懲罰的司法(正義)」に訴えることから解放され、「修復的司法(正義)」を試みてください。修復的司法とは、〈被害者〉〈加害者〉〈コミュニティ〉からなる話し合いを通じて、加害者VS被害者の関係修復を試み、加害者の反省と更生を促す実践です。問題は、夫も妻も、ともに相手が加害者で、自分は被害者だという信念(一面的思い込み)を抱いている点です。

それに対して、加害者VS被害者という従来の二項対立/枠組みを見直す視座が、欠かせません。
そのために、コミュニティの一員として、セラピストの支援を活用していただきたい。

(3)職業選択の悩み

弁護士から職業選択について相談されることがあります。

その内容を大別すると、刑事・民事・企業の活動領域間の移動に関すること、そしてもう1つは、法律事務所や企業で従業員として働くか、あるいは独立開業するか、といったことです。法律事務所については、パワハラ、いじめ、ジェンダーギャップ、不倫、職場環境、リーダーシップなどがテーマとなります。開業については、弁護士としての能力に加えて、経営能力、マーケティング力などが、よくあがる話題です。

さらに、外国も含めて、働く地域に関する相談もあります。外国の弁護士資格を取得するか、地方で働くにはどうするといいか、といった相談内容です。

ジェンダー・ギャップ、パワハラ、いじめ、窓際、ライバルとの競争、自己愛、ストレス、同僚との不倫、リーダーシップについて、今後詳しく書く予定です。

次のページへ:弁護士が患いやすい精神疾患